倒産の兆候はどのようにキャッチするのか
信用調査機関はどのように倒産の噂をキャッチするのか。それは、ヒト、モノ、カネの3つの視点から掴む事ができる。
①ヒト:管理職が辞める会社は危ない
会社の管理職が辞めるタイミングは倒産の予兆の1つ。注目すべきは営業部長、経理部長である。特に経理部長が銀行から来ているような会社の場合、辞めた後に後任者が来ない時にはかなり高い確率で危険と言える。
この他、経営トップの肩書きがやたらと多いのも危険。例えば、公職に関わる肩書きだったり、業界団体の役職だったり、もしくは政治団体など。本業がおろそかになっていたり、部下に任せきりで、経営が火の車になっていたりするのに気付かない経営者がよくいる。
社内の雰囲気も重要。売上規模の割に会社の電話が鳴っていなかったり、来客が極端に少なかったりする場合や、大量採用・大量離職が起きている会社は要警戒である。
②モノ:商品の動きが示す危うい兆候
商品の換金売りをしているなどの情報は重要。「△△会社が高価な商品を叩き売っている」といった情報や、市場価格より明らかに高い価格で原材料や商品の仕入れを行っているような会社などには危険が潜んでいる可能性がある。急激な製品発注の増加や購買量の増加も注意。いずれ経営が立ちいかなくなる事を見込んで、民事再生法の適用を申請した後などにも営業を継続するために、あらかじめ商品を大量に仕入れておくケースなどがある。
③カネ:お金の動きからわかるもの
倒産の兆候はお金の動きからわかる事が多い。例えば「◯◯社から月末に払われるはずのお金が入ってこない」という情報はすぐに回ってくる。月末に経理担当者や社長が見つからなかったりするのも危うい兆候である。月末に資金繰りが苦しくなる会社がある時には、取引先の銀行員は用事のないふりをしてみんな様子を見に行く。月末、銀行員らしい人が会社の様子を観察しているような場合も1つのシグナルである。
「会社をつぶす社長」10のポイント
生き残る企業とつぶれる企業が分かれてしまう決定的な違いは「社長」に行き着く。最近の倒産では「まじめ」で「堅実」な社長が会社をつぶす傾向が見える。こうした社長はリストラに躊躇する。人情に弱く、人員削減の決断ができない。結果的に赤字が解消できず、ついには銀行からも見放されてしまう。
①計画性がない
②情報がない
③リーダーシップがない
④危機感がない
⑤人脈がない
⑥数字に弱い
⑦パソコンに弱い
⑧朝に弱い
⑨決断力が弱い
⑩人情に弱い