マイクロソフトのエバンジェリストである著者が、人を動かすためのプレゼンのテクニックをまとめた一冊。相手の目線をうまく誘導して、メッセージを伝えることの大切さを説いています。
■プレゼンは「目線」で決まる
「相手の目が見ていないもの」について伝えても、99.9%理解されない。人間の脳は「いま目で見ている情報」だけを理解しようとし、それ以外を「ノイズ」として無視する。だから、何かを伝えたければ、まずはそれを「見てもらう」事が大前提である。
伝わる人は、「自分が伝えたいこと」と「相手が見ていること」を一致させる「視線誘導」ができている。優れたプレゼンターは、常に聞き手の目線を確実に掴んでいる。これこそが、プレゼン上達のための、最も効率的な方法である。
視線誘導を意識したプレゼンは「スライド」「シナリオ」「トーク」の3つの要素から構成されている。
■プレゼンで人を動かすメソッド
・スライドで目線をリードする
①番号や色を追加して「指示しやすいスライド」にする
②1枚のスライドから「重複する表現」を削除する
③「相手に期待するアクション」をタイトルにする
④使うフォント・色の数を「3種類以下」に絞る
⑤強調したい文字の周りにあえて「空白」を入れる
⑥数字を強調するために「単位を小さく」する
⑦矢印・チャートは「左→右」「上→下」の流れにする
⑧表やグラフは「見せたい情報」だけを強調する
・シナリオで目線をリードする
①冒頭30%の時間は「話を聞こう」と思わせるのに使う
②「相手が理解しやすい話題→伝えたい話題」の流れにする
③3つのストーリー(サクセス・レア・ホラー)を組み合わせて「欲しい」をつくる
④A4用紙1枚に「接続詞ありの文章」でシナリオをまとめる
・トークで目線をリードする
①第一声・最後の言葉を事前に決め、名前は2度言う
②時間表現を工夫しつつ、まず「終了時間」を伝える
③動詞・代名詞・数字を「聞き手目線」に言い換える
④「前フリ」を入れてから、次のスライドに移る
⑤「おへその前で手を組む」を基本姿勢にする
⑥指を使って「具体的数字」に言及する
⑦接続詞のタイミングで聞き手の方に目線を上げる
⑧事実に意見を添えて「意味付け」する
著者 西脇 資哲
1969年生まれ。日本マイクロソフト 業務執行役員・エバンジェリスト 岐阜のシステム会社でプログラマーとして過ごしつつ、プレゼン技術の研究を重ねる。1996年、日本オラクルに入社し、プロダクトマーケティング業務を経験。その後、IT業界屈指のプレゼンターとして頭角を現す。 2009年、マイクロソフトに入社後、マイクロソフト製品すべてを扱う唯一の日本人エバンジェリストとして活躍。2014年より業務執行役員。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
Prologue 「目線」をつかめば、「人」は動かせる | p.7 | 5分 | |
Chapter 1 プレゼンは「目線」で決まる | p.27 | 22分 | |
Chapter 2 スライドで目線をリードする | p.67 | 30分 | |
Chapter 3 シナリオで目線をリードする | p.123 | 25分 | |
Chapter 4 トークで目線をリードする | p.169 | 44分 | |
Epilogue 「伝えるものへの愛」はありますか? | p.249 | 3分 |