人は人を何で評価するのか。人が人を品定めする時の「強さ」と「温かさ」という2つの基準について説明し、いかに人の心をつかめば良いのかをアドバイスしている一冊。
■人は人を「強さ」と「温かさ」で評価する
人を品定めする時に、私達が無意識にはかっている観点は「強さ」と「温かさ」の2つである。この場合の「強さ」とは、個人の能力の高さや物事を成し遂げる意志の固さを指す。強さを感じさせる人物は、人々の尊敬を集める。また「温かさ」とは、この人にもっと近づきたい、と相手に思わせる優しさや親近感の事を言う。温かい人物の周りには自然に人が集まってくる。
人々は、強さと温かさを同時に感じさせる人物には、敬意と憧れを抱く。私達は無意識に、常に「強さ」と「温かさ」の2つを指標にして人を判断している。
強さと温かさの間には、シーソーのような反比例する力学が働いている。「強さ」をアピールする行動の多くは「温かさ」の面でイメージダウンにつながる。同様に「温かさ」を表すシグナルの多くは、「弱い人間」という印象を与える可能性がある。
私達は外部に対してどんなシグナルを発するべきか、自分で決めなければならない。温かさを演出して好感を得るべきか、強さを発揮して尊敬を勝ち取るべきか。
「強さ」に満ちた人は尊敬を集め、「温かさ」に満ちた人は共感を得る事ができる。そして、その2つが組み合わさった時には、単なる「足し算」以上の力を発揮する事が可能になる。
「強さ」と「温かさ」の根幹はつながっている。「強さ」は「温かさ」を発揮する事を可能にする。「強さ」があるからこそ、「温かさ」を発揮するだけのゆとりが生まれる。また「温かさ」は私達の傷を癒し、「強さ」を発揮するために必要な心の拠り所を与えてくれる。
「強さ」と「温かさ」には、それぞれ個別のメリットがある。しかし、最もメリットが大きいのは、それらが同時に発揮された時である。日頃から「強さ」と「温かさ」の双方に磨きをかけている人々、つまり高度な能力を発揮しつつ、他者への配慮を忘れない人々は、極めて充実した人生を送っている。
著者 ジョン ネフィンジャー
KNPコミュニケーションズ 共同創設者 企業幹部や国会議員、テレビタレントなどをクライアントに持つスピーチコンサルティング会社、「KNPコミュニケーションズ」の共同創設者。 ハーバード・ビジネス・スクール等の大学で定期的に講義を行うかたわら、各種のメディアにおいてコメンテーターを務めている。
著者 マシュー コフートKNPコミュニケーションズ 共同創設者 企業幹部や国会議員、テレビタレントなどをクライアントに持つスピーチコンサルティング会社、「KNPコミュニケーションズ」の共同創設者。 ハーバード・ビジネス・スクール等の大学で定期的に講義を行うかたわら、各種のメディアにおいてコメンテーターを務めている。
帯 ハーバード大学教授 ジョセフ・S・ナイ・ジュニア |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.2 | 2分 | |
プロローグ | p.12 | 8分 | |
1 人は人を「強さ」と「温かさ」で評価する | p.29 | 16分 | |
2 人はみな、「見た目」と固定観念に縛られる | p.61 | 28分 | |
3 「強さ」と「温かさ」をアピールする効果的な方法 | p.115 | 33分 | |
4 「この人と一緒にいたい」と思わせる聞き方、話し方 | p.179 | 28分 | |
エピローグ | p.234 | 3分 |
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