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2015/06/24更新

ザ・プラットフォーム―IT企業はなぜ世界を変えるのか? (NHK出版新書 463)

156分

2P

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Googleの共有価値観

彼らのミッションは「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」である。このGoogleの共有価値観を前提に、彼らの製品やサービスに宿る哲学を読み解くと「マインドフルネス」だと言える。マインドフルネスの状態にあると、私達は過去や未来の様々な雑念にとらわれる事なく、目の前の出来事に集中できるようになる。そして、何でもない出来事からも高い満足感を得られるようになる。

この哲学を理解できれば、Googleが手がける多種多様な事業の目指す先も見えてくる。自動運転車からは、運転さえ人間のする必要のない雑事だとGoogleは考えている。Googleの目指す世界は、あくまでも人間が選択肢を増やして、能動的に生きられる手助けをする事である。その美学が手間の自動化であり、マインドフルネスという哲学である。

アップルの共有価値観

「シンク・ディファレント(ものの見方を変える)」という言葉には「誰かと違う自分だけの考えを持とう。そのための助けをするのがアップルだ」という彼らの強い共有価値観が込められている。

「iPad Air」のビデオ「What will your verse be ?(あなたの物語は何ですか?)」の中にある「ヴァース」は人類という1つの宇宙を形づくる1人1人の「あなただけの小宇宙」とも言えるかもしれない。アップルは「私達はあなたの情熱を拾い上げて、あなただけの『ヴァース』を生きられるように手助けします」と背中を押す。iPadはそうしたアップルの共有価値観を込めてつくられた、表現のためのデバイスだった。

この「ユア・ヴァース」という哲学は「Apple Watch」の中でも探求されている。ビデオのメッセージは「この時計があれば、世界中の情報がお前に紐づくから、もう世界はお前の一部になるんだし、お前らしくなれるんだぜ」という事である。

こうした共有価値観を知る事で、それぞれの製品がなぜそこに存在するのかが見えてくる。

プラットフォームにどう向き合うべきか

プラットフォームには世界を変える力がある。しかし、これは「いい方に」とも「悪い方に」とも言える。なぜなら、Google、アップル、フェイスブックは株式市場に上場をしている1つのIT企業だからである。やはり利益を得るためにはユーザーにとって「悪い方に」プラットフォームが傾く事もある。

プラットフォームをいい方に傾ける事ができるのは、私達利用者側である。なぜ悪い方に傾いたのか、その重力を見極める事が大切である。こうしたプラットフォームに向かうべき態度を「ディープ・オプティミスティック」と呼ぶ。短期的な困難に対処していきながら、長期的な未来に対しては常に楽観的な態度でいる事であり、これが大切である。