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「熱」こそが成功の条件

2010年末、「スマートフォンに特化したサービスを開発しよう」という掛け声のもと、少数精鋭のチームが社内で選抜された。彼らは、市場調査を踏まえて「スマートフォン・ユーザーが求めているサービスは何か?」について検討を重ね、「ゲーム」「写真共有」「コミュニケーション」の3つにテーマを厳選。さらにこの中からどれか1つに絞り込んでプロジェクトに着手しようとしていた。

ところが、その矢先に震災が発生。彼らは、震災での自らの体験をもとに議論や分析を深めていった。そして、今求められているサービスは「クローズドなコミュニケーションだ」と確信。後にLINEと名付けられるメッセージ・アプリの開発に着手した。おそらく一部のネットリテラシーが高いユーザーだけではなく、「誰もが使いこなせる」、もっと便利なメッセージ・サービスが必要だ」と切実に感じたに違いない。メンバーの多くは、ほとんど家に帰らずに仕事をした。この時の「熱」が、そのままLINEの成功につながった。

彼らの方針・ビジョンには一切口をはさまなかった。なぜなら、意味がないから。社長の仕事は、自分よりその分野に強い人に仕事を任せること。その人がリーダーとなり、必要なメンバーが集まって全力でプレーをする。社長の仕事は、彼らの邪魔をするものを取り除くこと。何か必要なものがあれば用意すること。彼らの「熱」を守る事が最大の使命である。

ビジネスの本質

ビジネスとは「求める人と与える人のエコシステム」。お腹が空いた人に、おいしい料理を出す。とてもシンプルである。人々が求めているものを与える事ができる人は、どんな時代になっても生きていく事ができる。それが、ビジネスのたった1つの原則である。

大切なのは、人々が本当に求めているものを感じ取る能力と、それを具体的なカタチにする技術を磨き続けること。そして、人々が求めているものが変化した時には、それをいち早く察知して新しいものを差し出すこと。そこにひたすら集中する事以外に、不安から離れる方法はない。

利益を中心に考えない

会社は「世の中に価値を提供する」ためにある。これがすべてである。もちろん、利益が出なければ会社を存続させる事はできないため、利益は大切である。しかし、利益が出るか出ないかは結果論に過ぎない。価値を提供すれば、その結果として自然と利益はついてくる。

むしろ、利益をビジネスの目的にすると危ない。その企業でも儲けを優先し始めると、ユーザーはその変化に気づく。そして、ユーザーは価値よりも儲けを優先している事がわかると、一気に離れ始める。ユーザーを愛する気持ち、自分が携わる商品やサービスを愛する気持ちこそが、ビジネスを成功させるために一番大切なものである。