業績不振から抜け出せないソニーのリストラの実態を追ったレポート。これまでに大規模なリストラを6度行ったが、今なお復活の道が見えないソニーの暗い歴史が紹介されています。
■リストラ部屋
ソニーのキャリア開発室、通称「リストラ部屋」の源流をたどると、中高年社員対策として1985年にスタートした「能力開発センター」に行き着く。職場で持て余し気味の中高年(人事担当者は「職場にフィットしない人々」と表現する)の社員を集め、雑用を与えながら転職支援を行っていた。
初めの頃、彼らはグループ会社に送り込まれ、電線工事や社内のビデオ作成、総務という何でも屋、清掃業務など、そのキャリアや給与に見合わない仕事をさせられた。しかし、合理化が進み、グループがスリム化するとグループ会社でもさばききれなくなった。
それでも簡単に解雇する訳にはいかない。整理解雇するには、人員削減の必要性と合理性が存在しなくてはならないのだ。その上に、ソニーには「We are family」の言葉に象徴される家族主義と、創業者達が唱えた「リストラ不要論」があった。
井深大や盛田昭夫が建設したソニーという理想企業の夢は崩れ去ろうとしている。
著者 清武 英利
1950年生まれ。ジャーナリスト 大学卒業後、1975年に読売新聞社に入社。青森支局を振り出しに、社会部記者として、警視庁、国税庁などを担当。中部本社(現中部支社)社会部長、東京本社編集委員、運動部長を経て、2004年より、読売巨人軍球団代表兼編成本部長。 「清武の乱」直後の2011年11月18日、専務取締役球団代表兼GM・編成本部長・オーナー代行を解任され、係争中。現在はジャーナリストとして活動。
週刊ダイヤモンド 2015年5/16号 [雑誌] 三省堂書店有楽町店主任 岡崎 史子 |
PRESIDENT (プレジデント) 2015年 6/1 号 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
第1章 ソニーの変貌 2006-2007 | p.7 | 26分 | |
第2章 ターニング・ポイント 1946-2006 | p.49 | 28分 | |
第3章 技術者たちの矜持 2008-2009 | p.95 | 21分 | |
第4章 リストラ志願 2012-2013 | p.129 | 20分 | |
第5章 元には戻れない・戻らない 2012 | p.161 | 17分 | |
第6章 ヒト切りSONY 2012-2014 | p.189 | 15分 | |
第7章 終わらない苦しみ 1954-2014 | p.213 | 22分 | |
終 章 奮闘する「辞めソニー」たち | p.249 | 9分 | |
おわりに | p.264 | 4分 |
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