DeNA会長が、銀行員時代を経て、創業間もないDeNAに入社して、経営を行ってきたことが書かれた本。ビッターズからモバオクの立ち上げ、そして上場し、プロ野球に参入するまでの話が書かれています。
■DeNAとの出会い
住友銀行にいて、転職しようと考えた事はなかったが、住友銀行とさくら銀行の合併によって気持ちは揺らいでいく事になる。自分が彼らの社風に合いにくいのではないかと感じた。
1999年は東証マザーズが設立された年でもあった。若い人達を中心として起業熱が上がってきており、その勢いに関心を持っていた。その世界に入っていく事で何か楽しい事ができるのではないかという感触を抱いていた。
1999年も暮れに近づいてきた頃、南場さん達が立ち上げたDeNAがビッターズというオークションサービスをスタートさせたという記事が目に入ってきた。DeNAのサイトを見て、気持ちが大きく高ぶった。一度話を聞いてみたいと思い、サイトに載っていた「社員募集」という欄からメールを送ったら、すぐに電話がかかってきた。「ぜひ一度来て下さい」と言われた。
DeNAは、先を見越しながら戦略的にモバイル事業に軸足を移し、飛躍的な成長を遂げてきたと捉えている人もいるかもしれないが、実際にはそうではない。戦略的に先々を見通しても、思い通りに進む訳ではなく、その場その場で挑戦し、試行錯誤を繰り返してやっと今の成功をつかむ事ができたのである。
今のような大成功を確信していた訳ではなかった。サービスを立ち上げながら、守安や創業者である渡辺達が成功確率の話をしていたのを聞いた事があるが、2人とも「20〜30%じゃないでしょうかね」と、ずいぶんとのんきな話をしていたぐらいだった。それぐらいの感覚でモバイルへの挑戦を続けていたのである。
著者 春田 真
1969年生まれ。株式会社ディー・エヌ・エー 取締役 会長 1992年、株式会社住友銀行に入行。同行退職後、2000年株式会社ディー・エヌ・エーに入社、同年取締役に就任。2008年常務取締役、2011年取締役会長に就任(現任)。 2011年株式会社横浜DeNAベイスターズ取締役オーナーに就任(2015年1月に退任)。2015年株式会社ディー・エヌ・エー株主総会の時をもって任期満了となり、同社の取締役を退任予定。
週刊ダイヤモンド 2015年5/23号 [雑誌] 三省堂書店京都駅店店長 渡邉 大介 |
日経ビジネスアソシエ 2015年 07 月号 |
週刊東洋経済 2015年5/23号 [雑誌] |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.1 | 5分 | |
第1章 球界参入 | p.15 | 32分 | |
第2章 銀行員時代 | p.71 | 22分 | |
第3章 ベンチャー | p.109 | 30分 | |
第4章 DeNA事件簿 | p.161 | 24分 | |
第5章 野球への想い | p.203 | 32分 | |
おわりに | p.258 | 3分 |
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