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2015/05/25更新

やわらかい頭の作り方: 身の回りの見えない構造を解明する (単行本)

  • 細谷功
  • 発刊:2015年3月
  • 総ページ数:188P

142分

2P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な

対象読者:

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遠くのものの方がありがたい

人は「遠くの人」のアドバイスに、より耳を傾ける。親よりは親戚、親戚よりは学校の先生、学校の先生よりは塾の先生のアドバイスの方を聞く。実は新しいアイデアを生み出す時のポイントも同じところにある。人間は年齢を重ねてくると、遠出が億劫になる等ついつい「身近なもの」で済ませようとする。これは「頭の使い方」でも同じで、経験や知識を積み重ねるにつれて「身近にあるもの」で済ませようとする。これが「頭の固さ」の1つの原因になる。身近な世界だけで考えていれば楽だからである。

創造的なアイデアも、ほとんどは既存のアイデアの組み合わせと言われるが、1つのポイントがある。それが「遠くのものほど価値がある」という事である。「遠くの世界」を活用すれば、既存のものの組み合わせでもこれまでになかったものが生まれる。

気付いた時点で解決している

私達の身の回りの問題や課題に対して、以下の3通りの人が存在する。

①本当にできている人
②できていないと気付いている人
③できていない事にすら気付いていない人

私達は個人個人でも各々個別の問題によって、自分が①に入る場合もあれば、③に入ってしまっている場合もある。別の切り口から、これを身の回りの事象を問題になっているかどうかで分類すると3つに分けられる。

①「本当に問題がない」解決済の問題
②「問題だと気付いているが解決していない」未解決の問題
③「問題だという事にすら気付いていない」未解決の問題

②の状態を①の状態に持って行く事を問題の解決、③の状態を②の状態に持っていく事を問題の発見という。圧倒的に難易度が高いのは問題発見の方である。頭の固い人は「問題解決」が得意なだけであり、必ずしも問題発見が得意ではない。頭をやわらかくするには、③の領域を意識する事が大切である。

「単純に考える」方が実は大変である

「1のアウトプット」をするのに「1のインプット」をしてそのままアウトプットする人を「短絡的」。「1のアウトプット」を出すために100のインプットをし、それを解釈し、再構成してアウトプットを1出すのを「単純に考える」といえる。

「単純に考える」事は、複雑で膨大な情報を「再構成する」処理が必要である。「やわらかい頭」とは知識を再構成する力の事であり、単に知識を膨大に有している事とは、全く違う能力が求められる。

「博識である」事は、「考える力」とは直接関係ないばかりか、状況によっては逆に絞りにくくなる可能性があるという点で、「頭が固くなる」危険性もはらんでいる。