2045年、コンピュータが人間の知性を超える。そして、人間と機械は融合し、これまでの人間の限界をはるかに超えた領域に踏み込む。人工知能の世界的権威が、これからの未来を予測している一冊。
■特異点(シンギュラリティー)
特異点とは何か。テクノロジーが急速に変化し、それにより甚大な影響がもたらされ、人間の生活が後戻りできないほどに変容してしまうような、来るべき未来の事だ。迫りくる特異点という概念の根本には「人間が生み出したテクノロジーの変化の速度は加速していて、その威力は、指数関数的な速度で拡大している」という基本的な考え方がある。指数関数的な成長というものは、見過ごされてしまいがちである。最初は目に見えないほどなのに、その内予期しなかったほど激しく、爆発的に成長する。
コンピュータが人間の能力をしのぐ分野は、今や急速に増えている。人間の脳は、様々な点で素晴らしいが、限界を抱えている。脳は超並列処理を用いて、微妙なパターンを素早く認識する。だが、人間の思考速度は非常に遅い。基本的なニューロン処理は、現在の電子回路よりも数百万倍も遅い。このため、人間の知識ベースが指数関数的に成長していく一方で、新しい情報を処理するための生理学的な帯域幅は非常に限られたままなのである。
人間の知能は、コンピューティングのプロセスの上に成り立っている。人間の知能よりもはるかに大きい能力を持つ非生物的なコンピューティングを利用して、人間の知能を拡大し利用する事で、我々は最終的に知能のパワーを増大させる事になる。
特異点に到達すれば、我々の生物的な身体と脳が抱える限界を超える事が可能になる。特異点は、2045年に到来する。
著者 レイ・カーツワイル
1948年生まれ。発明家、思想家、未来学者 人工知能研究の世界的権威であり、特に技術的特異点に関する著述で知られる。「眠らない天才」「究極の思考マシン」(Forbes magazine)と呼ばれ、またInc.magazineはカーツワイルを世界トップの起業家のひとりに選び、「トマス・エジソンの正統な相続人」と呼んだ。 アメリカの「発明家の殿堂」に名を連ね、「ナショナル・メダル・オブ・テクノロジー」「レメルソン‐MIT賞」など優れた発明に贈られる世界最高峰の賞を数々受賞、12の名誉博士号をもち、3人の米大統領から賞を贈られている。
日経ビジネス |
帯 マイクロソフト創業者 ビル・ゲイツ |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
プロローグ | p.4 | 7分 | |
第1章 六つのエポック | p.15 | 33分 | |
第2章 テクノロジー進化の理論―収穫加速の法則 | p.53 | 51分 | |
第3章 人間の脳のコンピューティング能力を実現する | p.111 | 45分 | |
第4章 人間の知能のソフトウェアを実現する―人間の脳のリバースエンジニアリング | p.163 | 77分 | |
第5章 GNR―同時進行する三つの革命 | p.251 | 114分 | |
第6章 衝撃… | p.381 | 93分 | |
第7章 わたしは特異点論者だ | p.487 | 33分 | |
第8章 GNRの密接にもつれあった期待と危険 | p.525 | 57分 | |
エピローグ | p.590 | 3分 |
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