物事の本質に目を向けなければ、スジのよい答えは出てこない。戦略コンサルタントの著者が、MITで学んだシステム思考をもとに、本質的な問題解決法を考える方法を紹介しています。
■本質思考とは何か
成果に結びつく、スジの良い答えを導き出すためには、本質から考える事が大切である。現象に惑わされず「その裏側で何が起こっているのか」「どうしてそうなるのか」という風に、物事の本質に目を向けなければ、情報が溢れる今の世の中、情報に流され、現象の裏返しみたいなスジの悪い答えにしか行き着けない。
「本質」とは、現象の裏側にひそむ「構造(モデル)」と「因果(ダイナミズム)」として捉えられる。モデルとは、その現象を生み出す構造、つまり、構成要素やそれらの相互の関係性の事である。ダイナミズムとは、そのモデルが生み出す現象について、長い目で見ると、どのような結果や動きが見られるのか、という事である。つまり、どのようなパターンが見られるかという事である。現象の裏側には、それを引き起こすモデルとダイナミズムが必ず存在する。そのモデルとダイナミズムの結果として、現象が目の前に現れている。
本質から考えるとは、現象の裏にひそむモデルとダイナミズムに想いを巡らせて考える、という事に他ならない。
本質とは、問題や現象の裏側にひそむ、それらを引き起こしている真因である。本質の反対が表層、あるいは枝葉末節だ。結果につながる思考と、それに基づく意思決定のためには、目先の情報や表層に囚われる事なく、本質から考えようとする事が大切である。こうした思考のアプローチを「本質思考」と呼ぶ。
「本質」は「構造(モデル)」×「因果(ダイナミズム)」として捉えられる。問題解決のためには、モデルを変え、ダイナミズムを変えるしかない。本質思考は次の4つのステップからなる。
①モデルを描く
②ダイナミズムを読み解く
③モデルを変える打ち手を探る
④行動し、現実からのフィードバックを得る
著者 平井 孝志
ローランド・ベルガー 執行役員 シニア パートナー 慶應義塾大学特別招聘教授 早稲田大学ビジネススクール客員教授 ベイン・アンド・カンパニー、デル、スターバックス、ネットベンチャーを経て現職。 製造業、商社など幅広い業界においてコンサルティングに従事し、グローバル戦略、新規事業開発・R&D戦略、営業・マーケティング戦略の立案・実行支援に関わる。経営戦略、マーケティング、ロジカルシンキングなどの企業研修も手掛ける。
TOPPOINT |
マインドマップ的読書感想文 smooth |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.1 | 6分 | |
CHAPTER1 人は意外に深く考えていない | p.19 | 14分 | |
CHAPTER2 本質思考とは何か? | p.45 | 21分 | |
CHAPTER3 本質思考のステップ1 モデルを描く | p.83 | 13分 | |
CHAPTER4 本質思考のステップ2 ダイナミズムを読み解く | p.107 | 26分 | |
CHAPTER5 本質思考のステップ3 モデルを変える打ち手を探る | p.155 | 14分 | |
CHAPTER6 本質思考のステップ4 行動し、現実からのフィードバックを得る | p.181 | 16分 | |
CHAPTER7 本質思考を身につけるためのトレーニング方法 | p.211 | 14分 | |
おわりに | p.236 | 1分 |