世界の大学に比べて、日本の大学が遅れており、教育と学生の質が低下していくことに対して、問題提起している本です。
■レジャーランド化する大学
今日、日本の大学が置かれている環境は厳しさを増している。少子化によって受験生の確保が難しくなる一方で、大学の新設数は増加しているため、定員割れを起こしている大学も少なくない。2014年度の春入学時、全国の私立大学の45.8%が定員割れを起こしている。日本の大学は、いまや入学時選考時のハードルも下がりつつある。
こうした中、日本では大学がレジャーランド化していると言われて久しい。その顕著な例が始業時間である。高校までは始業時間が午前8時30〜40分が一般的であるのに対し、大学では9時台が一般的。その上、一時間目の授業を避ける学生も多い。アメリカでは、大学の授業は一般的に8時に始まり、サマースクールなどでは7時台に始まる事も珍しくない。
始業時間だけではない。単位認定には出席点を導入する教員が多く、欠席してもレポート提出で単位を与えるケースがあるのも問題である。
これからは簡単に職を得る事は難しく、また一度得た職を維持し続けていくためには、常に学び、成長していく事が求められている。その事をしっかりと認識して、社会へ出るまでに、残りの人生を有意義に生きていけるだけの能力を身につける事が不可欠である。
こうした環境を日本の大学がどう提供できるかが、いま問われている。
著者 吉田 良治
1962年生まれ。HRリーダーシップアカデミートータルパーソンプログラムファシリテータ AFCA(米国フットボールコーチ協会)会員。 追手門学院大学客員教授。 浪速高等学校でフットボールと出会い、追手門学院大学でプレー後、コーチとして後進の指導にあたる。1998年にワシントン大学へアメリカンフットボールコーチ留学、2000年、Pac‐10制覇、2001年、ローズボウル制覇に貢献。大学スポーツのライフスキル指導について、ジョージア工科大学元体育局長ホーマー・ライス氏に師事し、トータルパーソンプログラムの指導法を習得。
帯 伊藤忠商事前会長 丹羽 宇一郎 |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.3 | 2分 | |
第1講座 YOUは何しに大学へ? | p.15 | 25分 | |
第2講座 人を育てる大学・学生をつぶす大学 | p.67 | 21分 | |
第3講座 大学はもっと稼ぐ力をつけなさい | p.111 | 17分 | |
第4講座 大学は就職予備校ではない! | p.147 | 26分 | |
特別講座 学生は、学べ!学べ!学べ! | p.201 | 24分 | |
おわりに | p.252 | 2分 |