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2015/04/23更新

世界はシステムで動く ―― いま起きていることの本質をつかむ考え方

348分

5P

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システムの基盤となるもの

「ストック」はどのようなシステムであれ、その基盤となるものである。ストックはシステムの要素だが、いつでも見たり、数えたり測ったりする事ができる。ストックは「フロー」の動きを通して、時間の経過と共に変わっていく。

ストックとフローのダイナミクス(その経時的な挙動)を理解できれば、複雑なシステムの挙動についてかなりの部分を理解した事になる。フローの移動には時間がかかるため、ストックが変化するには時間がかかる。これは「システムはなぜそのように挙動するか」を理解する上での鍵を握っている。ストックは大抵ゆっくりと変化し、システムにおいて、時間的遅れ、タイムラグ、バッファー、安定器、勢いの源として機能しうる。ストックの反応は、急激な反応に対しても、ゆっくりと満ちたり、空になったりするだけである。

ストックの変化が、システムのダイナミクスのペースを決める。ゆっくりと変化するストックから生じるタイムラグは、システムに問題を発生させる事があるが、安定を生み出す源にもなり得る。ストックの変化のペースに対する感覚を持っていれば、起こりうるよりも速く物事が起こる事を期待する事も、すぐに諦めてしまう事もない。システムの勢いがもたらすチャンスを活用して、それを良い結果へとつなげようとする事ができる。

システムはどのようにして自らを動かすか

システムにおけるストックの役割に関して、もう1つ大事な原則がある。その原則は、フィードバックの概念に直接つながる。ストックがある事で、インフローとアウトフローはそれぞれ独立し、一時的に両者間のバランスを崩す事が可能となる。人々は絶えずストックを監視して、ストックを増やしたり減らしたり、または許容範囲内に保とうと、意思決定をし行動をとる。こういった意思決定が積み重なって、あらゆる種類のシステムの盛衰、つまり成功と問題を生み出す。

ストックが飛躍的に増えたり、急激に減ったり、またはまわりで何が起ころうとある範囲内に保たれている時、そこにはコントロール・メカニズムが作用している。そのメカニズムは、フィードバック・ループを通して機能する。「フィードバック・ループが存在している」という最初の手がかりは、長期間にわたって一貫した挙動パターンが見られる事である。フィードバック・ループによって、ストックの水準をある幅で保ったり、または増やしたり減らしたりできる。

①バランス型フィードバック・ループ
ストックをある値、範囲内に保とうとする。

②自己強化型フィードバック・ループ
雪だるま式のもので、健全な成長や暴走型の破壊をもたらす循環をつくる

実際のシステムでは、フィードバック・ループが互いにつながっていて、多くの場合複雑なパターンを作り出している。