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2015/04/23更新

世界はシステムで動く ―― いま起きていることの本質をつかむ考え方

348分

5P

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本質をつかむための考え方

物事を大局的に見つめ、真の解決策を導き出す「システム思考」を紹介している一冊。


■システム思考
構造と挙動の関係がわかれば「システムはどのように機能するのか」を理解し始める事ができる。システム思考とは、問題の根本原因が何かを見いだし、新たな機会を見つける自由を与えてくれる思考法である。

システムとは、何かを達成するように一貫性を持って組織されている、相互につながっている一連の構成要素である。システムは「要素」「相互のつながり」「目的」の3種類のものからなっている。

多くの場合、一番気付きやすいのは、システムの要素である。要素の多くは目に見え、触る事ができる。あるシステムの要素を列挙し始めたら、その作業に終わりはない。要素を下位の要素に分け、さらに下位の要素に分解してゆく事ができる。そうしている内にシステムを見失ってしまうため、行き過ぎる前に、要素の分解をやめて、要素をつなげている関係性を探し始めるのが良い。

「機能」や「目的は」見えにくい。システムの機能や目的は明示的に語られたり、書かれていたりするとは限らない。システムの目的を推測する最良の方法は、そのシステムがどのように挙動するかをしばらくじっと見る事である。多くの場合、システムの中で最も目につかない部分である目的は、そのシステムの挙動を決する上で最も重要である。

超短要約

「システム」とは、人でも細胞でも、分子であっても、時間の経過と共にその独自のパターンを創り出すようなやり方で相互につながっている何かが集まったものである。システムは外的な力によって衝撃を受けたり、抑えられたり、始動したり、駆動されたりする事がある。でも、そういった力に対する反応はそのシステムの特徴であり、その反応は実際の世界では単純である事はほとんどない。

私達が出会う誰であっても、どんな組織も、動物も、庭も、木も森も、複雑なシステムである。私達は分析もせず、直観的に、こういったシステムがどのように機能するのかを実際的に理解していく。

飢餓、貧困、環境劣化、失業、経済の不安定性、慢性疾患、薬物中毒、戦争などは、それらを根絶するために傾注されてきた分析力と素晴らしい技術にもかかわらず、なくならない。誰かがこういった問題を意図的に創り出している訳ではなく、問題が続く事を望んでいる人がいる訳でもないのに、問題は消えない。その理由は、こういった問題は本質的に、システムの問題だからである。こういった問題が解決に向かうのは、私達が自らの直観を取り戻し、非難をどこかへ向けるのをやめ、システムをそれ自体の問題の源であると見て、そのシステムを再構築する勇気と知恵を見いだした時だけである。

著者 ドネラ・H・メドウズ

1941年生まれ。マサチューセッツ工科大学 特別研究員 1972年、『成長の限界』の主執筆者として、限りある地球の人口と経済成長のダイナミクスを一般の人々に向けて解説。『成長の限界』は37の言語に翻訳され、地球が人間活動を支えられる力や人類の選択に関する論争を世界中で巻き起こす火付け役となった。 その後、グローバル・モデリングと持続可能な開発に関する本を9冊書き、社会情勢や世界における複雑なつながりをじっくり振り返って考えるコラム『The Global Citizen(地球市民)』を15年間、毎週書き続けた。 1990年には『世界がもし100人の村だったら』の原案となったコラム「村の現状報告(State of the Village Report)」を執筆。1991年、ピュー財団の保全・環境分野の研究者として認められ、1994年にはマッカーサーフェロー賞を受賞。1996年、サステナビリティ研究所を設立し、システム思考や組織学習を用いて、経済、環境、社会分野の課題に取り組む。 1972年から2001年に亡くなるまで、ダートマス大学の環境研究プログラムで教鞭をとった。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに システムを見るレンズ p.17 10分
第1章 基礎 p.32 29分
第2章 〈システムの動物園〉にちょっと行ってみる p.70 38分
第3章 なぜシステムはとてもよく機能するのか p.120 15分
第4章 なぜシステムは私たちをびっくりさせるのか p.139 32分
第5章 システムの落とし穴……とチャンス p.180 40分
第6章 レバレッジポイント p.234 27分
第7章 システムの世界に生きる p.269 25分

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