異業種からの市場参入や新しい競争のルールを作り出す競合によって、既存プレーヤーは常に脅威にさらされている。競争環境の厳しい時代に、どのような競争戦略をとるべきかをまとめている一冊。
■ゲーム・チェンジャーの4類型
既存の業界に新たな競争のルールを持ち込むプレーヤーを「ゲーム・チェンジャー」と名付ける。ゲーム・チェンジャーには次の4類型がある。
①プロセス改革型(既存の製品・サービス × 既存の儲けの仕組み)
既存のバリューチェーンを見直す。ex.Amazon、セブンカフェ、ゾゾタウン
②秩序破壊型(既存の製品・サービス × 新しい儲けの仕組み)
既存の儲けの仕組みを無力化する。ex.スマホゲーム、リブセンス、コストコ
③市場創造型(新しい製品・サービス × 既存の儲けの仕組み)
顧客が気付いていない価値を具体化する。ex.JINS PC、青山フラワーマーケット
④ビジネス創造型(新しい製品・サービス × 新しい儲けの仕組み)
想像力と創造力を発揮する。ex.価格.com、オキュラスリフト、カーシェアリング
既存企業が既存のビジネスを守る場合も、新しい戦い方の4類型が通用する。
①プロセス改革型
顧客視点で足下を見直す。ex.野村證券のネット取引、コマツのコムトラックス
②秩序破壊型
既存の儲けの仕組みを否定し、事業の定義を変える。ex.ブリヂストンのリトレッド
③市場創造型
新しい製品やサービスを増やす、あるいは市場をずらす。ex.クール宅急便
④ビジネス創造型
有効な防衛戦略にならない事が多い。ex.CCCのTポイントカード
著者 内田 和成
1951年生まれ。早稲田大学ビジネススクール教授 日本航空を経て、1985年ボストン コンサルティング グループ(BCG)入社。2000年から2004年までBCG日本代表、2009年までシニア・アドバイザーを務める。 2006年には「世界の有力コンサルタント25人」(米コンサルティング・マガジン)に選出された。2006年より早稲田大学大学院商学研究科教授。ビジネススクールで競争戦略論やリーダーシップ論を教えるほか、エグゼクティブ・プログラムでの講義や企業のリーダーシップ・トレーニングも行なう。
TOPPOINT |
週刊ダイヤモンド 2015年 2/28号 「雑誌] 三省堂書店有楽町店主任 岡崎 史子 |
PRESIDENT (プレジデント) 2015年 3/30 号 |
ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2016年 01 月号 [雑誌] (意思決定の罠) |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.1 | 3分 | |
第1章 新たなゲームのはじまり――激化する異業種競争 | p.15 | 21分 | |
第2章 相手の儲けの仕組みを無力化する〔秩序破壊型〕 | p.51 | 16分 | |
第3章 顧客が気づいていない価値を具体化する〔市場創造型〕 | p.79 | 18分 | |
第4章 新たな事業モデルをつくり出す〔ビジネス創造型〕 | p.109 | 15分 | |
第5章 バリューチェーンを見直す〔プロセス改革型〕 | p.135 | 15分 | |
第6章 既存プレーヤーはどう対抗するか | p.161 | 21分 | |
おわりに | p.197 | 2分 |
事業創造のロジック ダントツのビジネスを発想する [Amazonへ] |