マッキンゼーで教えられる「問題解決のためのノート術」を紹介しています。問題解決するためには、まずノートを使い、手を動かし、思考する事で「真の問題」を見つけ出す事が大切であると説く。
■問題解決につながる思考の整理作業をノートで行う
マッキンゼーでは、問題解決を行うために、ノートを「思考ツール」「問題解決ツール」として使う。真の問題を定義し、問題そのものを構造化し、事実と、そこから導き出せる解釈、そして解決策となる行動までをノート上で明らかにするために、自分の手を動かす。問題の定義、事実の分析や整理、仮説と解決策の見極め、具体的な行動まで、問題解決ができる人のノートは、それらがすべて明確になっている。
重要なのは、何が真の問題かという「問題の定義」と、その問題を解決するための道筋を見つけ出すために「問題を構造化」すること。そのためにノートを使う。自分の思考は「言葉」にして発する事や「文字」にして書く事で、混沌とした状態の思考から一歩抜け出して、本質的でクリアな思考ができるようになる。
■マッキンゼー流ノート術で大切な3つの心構え
①仮説を考えながらノートを取る
何の仮説も立てずに情報収集や分析をすると、どこまで何を調べれば「真の問題」を見つける事ができ、その問題解決の鍵となる「イシュー(最も重要な課題)」につながるのか、なかなか見えてこない。そこで「仮説」が必要となる。仮説を立てる時には、これまでのリサーチや集めた情報から可能性の高そうな仮説に絞って考える。その上で、検証を行ってみて、最も有力な仮説の「当たり」をつける。
②アウトプット志向
アウトプットとは、自分以外の第三者に対して、プレゼンテーションや問いかけ、報告などを行うこと。ノートを取る行為の先にある「第三者へのアウトプット」という目的を常に意識する。
③ストーリーラインで考える
ストーリーラインで考えるというのは、一部分だけを見て物事を考えるのではなく、全体像をつかんだ上で、物事が置かれている状況を見て、それからその物事がどう変化していくのか、その「流れ」を考えること。問題解決の基本プロセスである「問題設定とイシューを決める→課題を整理して構造化する→現場の情報をリサーチする→解決策の仮説を立てる→仮説を検証する→解決策を決める→解決策を実行する」というストーリーラインに沿って、ノートを使い分けながらゴールに向かっていく。
著者 大嶋 祥誉
センジュヒューマンデザインワークス代表取締役 エグゼクティブ・コーチ、組織開発・人材育成コンサルタント。 マッキンゼー・アンド・カンパニーでは、新規事業のフィージビリティスタディ、全社戦略立案、営業戦略立案などのコンサルティングプロジェクトに従事。 その後、ウィリアム・エム・マーサー、ワトソン・ワイアット、グローバル・ベンチャー・キャピタル、三和総合研究所にて、経営戦略や人材マネジメントへのコンサルティングおよびベンチャー企業支援に携わる。 2002年より独立し、エグゼクティブ・コーチング、組織変革コンサルティング、チームビルディングやリーダー開発に従事する。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.2 | 7分 | |
CHAPTER1 マッキンゼー流 プロフェッショナル・ノートの流儀 | p.21 | 19分 | |
CHAPTER2 マッキンゼー流 「問題解決ノート」の使い方 | p.58 | 36分 | |
CHAPTER3 マッキンゼー流 ノートで結果を出す | p.129 | 30分 | |
CHAPTER4 マッキンゼー流 ノートで自分を磨く | p.187 | 15分 | |
おわりに | p.216 | 2分 |
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