正しい「問い」が見えてくる
③隠れたニーズを引き出す
「ありそうでなかったもの」はあくまで手段であり、本当の目的は「隠れたニーズ」を引き出すこと。小さな物事でも「何か問題はないかな。みんな本当に満足しているのかな」と問う事が先決である。結果として、アイデアが「ありそうでなかった」と人から言ってもらえるという話だが、この順序を逆にしてしまうと「そもそも必要ないからない」アイデアになり、正解には辿り着けない。「ない」には必ず訳がある。やるべき事は、隠れたニーズを引き出して、問題の核心を探していく事である。
④「ちょっとした思いつき」から課題を見つける
「ちょっとした思いつき」がデザインになる事がある。「ん?」と気になった事を無作為に頭の中で浮遊させて、いくつかの要素が1列に連なって見えるポイントを探して、ブスッと1本の直線で串刺しにする感じ。この時、直線である事が大事である。「直線=最短距離」なので、文字通り複数のイメージが「直結」する。
⑤欠点のないアイデアは愛着も湧かないし、記憶にも残らない
アイデアが記憶に残る条件は、アイデアの中にデメリットを残す事にあるのではないか。ネガティブな要素と一緒に伝える事によって、全体としてはポジティブに伝わる。商品はキャラが大事。キャラクターには欠点があり、その「弱さ」があるからストーリーが生まれるし、感情移入もできる。
⑥何事もできるかできないかは別にして「とりあえずやってみる」
ムチャ振りにはいくつか特徴がある。まず、ムチャだと思う時点で、勝手に決めてしまった「できないと思い込んでいること」に気付ける。ムチャ振りをすべて期待と捉えて、その期待を1ミリでも超える事に集中すれば、今までとは違う目線で問題が見えてくる。
⑦センスよりも「好き」でいつづける
「自分にはセンスがないからできない」と言う人がいるが、センスよりも「好き」でいつづける事こそが問題発見やアイデア出しにおいて重要である。世界のトップ10が戦っている時に「これはもうセンス」と感じるときはあるが、それ以外の場面においては、すべて努力でカバーできる。誰よりもそれについて考えて、誰よりもそれを好きでいること。その事を意識して日々の課題に取り組むだけで、例えばそれに付随する事にいろいろ興味を持ったり、違う事であってもどんどんチャレンジできたりする。
⑧運を味方につける
チャンスというのはオブラートに包まれているもの。だから、チャンスをつかめないと言う人は、第1は単に気付かない人で、第2は面倒くさいと思ってチャンスから目をそらしている人。「面倒くさいこと」こそ、全力でトライするよう意識すれば、チャンスは自然と寄ってくる。