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事業規模を拡大する

①規模の経済を活かして、事業拡大を図る
ブレイシズ・バイ・バリスはここ数年、新しい町で開業したり、引退する矯正歯科医から医院を買い取ったりして、事業を拡大してきた。矯正歯科を訪れるために、人はわざわざ遠くまで足を延ばしたがらない。しかも歯科矯正医院は、小さな受付エリアと、診療台が2、3台もあれば充分だ。最低限の設備で成り立つ医院は運営費が安くつく。サテライト展開する他の医院をうまく運営する鍵は、各医院の支援業務を一手に引き受けるハブ機能を充実させる事である。バリスは管理オフィスのハブ機能を存分に活用する事で、利益拡大の第一原理である「規模の経済」をうまく利用している。単独の矯正歯科医院では経営が成り立たない小さな町でも、サテライト医院システムを採用すれば利益を確保できる。

②固定費を回収できるだけの市場を見つける
スティール・ラバー・プロダクツは、ビンテージカーの特殊なゴム部品を販売している。この会社のカタログに載せている部品は12000点にも及び、そのすべての部品に金型をつくる必要がある。金型の製造コストは固定費に該当し、かなりの割合を占める。だが一旦金型をつくってしまえば、ゴム部品の製造にさほどコストはかからない。金型をつくってしまえば、スティール・ラバーの部品を買う人が増えれば増えるほど、利益が得られる仕組みである。まずはそのクルマの修理部品にどのくらいの市場規模があるのかを見極めなければならない。

参入障壁を築く

①2社で分け合うほど市場が大きくない内に参入する
ウィルコックスソンズ・キッズプレイスは、小さな店の中でもとりわけ小さいが、100km圏内で唯一の子供用家具ショップだ。この店は強力な参入障壁を築いている。ジョーンズボロでは子供用家具はかなりの需要があるとはいえ、その需要は2店目がやっていけるほど大きくないからだ。1つの店や企業では収益が成り立つが、2つの店や企業では収益が成り立たない状態を「自然独占」と呼ぶ。自然独占が生じる要因が何であれ、取るべき戦略は、最初にその市場に参入せよだ。

②埋没費用で参入する
消防用ホースは、布を織機で筒状に織った外筒に、ゴムで内張り加工をして作る。この仕事は織機が命であり、埋没費用となる。織機は他の用途には使えない。埋没費用は強力な参入障壁になる。埋没費用を抱える企業はその市場に全力を傾ける。撤退も方向転換もなく、その市場にとことんしがみつく以外に選択肢はない。そして、その覚悟が新規参入者を思いとどまらせる。