ニッポン放送の人気アナウンサーが、コミュニケーションの技術と考え方を書いた本。コミュニケーション障害だったという著者がどのようにして、コミュニケーション力を上達させたのかが紹介されています。
■コミュニケーションの目的は楽になること
コミュニケーションというのは、コミュニケーションが成立する事自体が目的であって、その時に伝達される情報は二の次である。情報の質や内容なんてどうでもいい。情報の伝達より先に、話をしていて楽になる、心地よくなる事の方がずっと重要である。
コミュニケーションは実は難しい。コミュニケーションを支えているのは様々な技術であって、多くの場合、いきなり上手にできる事ではない。会話が上手な人は、コミュニケーションの瞬間瞬間に意味を見出し、その都度ふさわしいテクニックを駆使している。こう来たらこう受ける、こう受けたらこう出すという「型」がたくさんある。コミュニケーションはゲームと捉えると、その流れから「この質問だったらこう受けるのがベスト」とか「この答えだったらこっちに話を振った方がいい」とか分析できる。会話には必勝法はないが、勝率が高くなる戦い方がある。
コミュニケーションの核は、人のためにしゃべる事である。自分がどう思うかで話を進めるのではなく、相手の側から話を進めてもらう。
会話の基本は、徹頭徹尾、人のためである。そうしていると相手からも話を訊かれるようになって、自分も楽しくしゃべれるようになる。
なぜ、この人と話をすると楽になるのか。コミュニケーションをとっていて楽になる人というのは、自分を許す事ができた人である。「自分を許す」とは、許し難い自分を見出して解放する事である。自分で自分を許せない、何度も修羅場を経験して、いつか自分を許して、解き放した状態になれた人。そういう人は話をしていて、とても楽である。
著者 吉田尚記
1975年生まれ。ニッポン放送アナウンサー 2012年第49回ギャラクシー賞DJパーソナリティ賞。「マンガ大賞」発起人。 株式会社トーンコネクト代表 ラジオ『ミュ~コミ+プラス』(ニッポン放送)、『ノイタミナラジオ』(フジテレビ)等のパーソナリティを務める。マンガ、アニメ、アイドル、デジタル関係に精通し、常に情報を発信し続けている。
マインドマップ的読書感想文 smooth |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
週刊ダイヤモンド 2015年 4/11号 [雑誌] 丸善書店丸の内本店和書グループ 田中 大輔 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに コミュ障の私よ、さようなら | p.8 | 9分 | |
1 コミュニケーションとは何だろう | p.22 | 12分 | |
2 「コミュ障」だった私 | p.41 | 8分 | |
3 コミュニケーションという「ゲーム」 | p.54 | 12分 | |
4 ゲーム・プレーヤーの基本姿勢 | p.74 | 9分 | |
5 沈黙こそゴール | p.89 | 10分 | |
6 コミュニケーション・ゲームのテクニック | p.106 | 12分 | |
7 質問力を身につける | p.126 | 20分 | |
8 キャラクターと愚者戦略 | p.159 | 12分 | |
9 コミュニケーション・ゲームの反則行為 | p.178 | 11分 | |
まとめ コミュニケーションは徹頭徹尾、人のために | p.196 | 7分 | |
あとがき | p.207 | 2分 |