偏見や既成概念にとらわれずに考えることが大切である。シカゴ大学経済学部教授が、問題解決のためのシンプルな思考法を紹介しています。
■何でもゼロベースで考える
最近の風潮として、問題を解決する方法には「正しい」方法と「間違った」方法があるという思い込みを持つ人が増えている。こういう考え方でいると、言い争いが増えるし、解決できるはずの問題も解決できなくなってしまう。
現代社会では、違う角度から、違う筋肉を使って、違う前提で考える。ひねくれた不信ももたずに素直な心で考える。つまり、フリークみたいに考える必要がある。フリークみたいな考え方をする人が少ないのには3つの理由がある。
①政治的、思想的、その他のバイアスのせいで、偏った先入観をもってしまいがちだから。どんなに聡明な人でも、新しい情報を積極的に取り入れて確かな現実感覚を磨くより、自分が元々持っている考えを裏付けるような情報ばかり探そうとする。
②皆と同じ事をするのは楽だから。どんなに重要な問題についても、友人や家族や同僚の意見に合わせるだけの人が多い。でもいつも皆と同じでいると、つい現状に満足して、新しい考えを取り入れようともせず、考える事まで人任せにしてしまう。
③大抵の人が忙しさにかまけて、ゼロベースで考え直したり、物事をじっくり考える事すらしなくなっている。
インセンティブを正しく理解すること、読み解くことが、問題を理解して解決法を考えるためのカギになる。混乱と矛盾に凝り固まった問題を解きほぐす道具として、データほどパワフルなものはない。一般通念をよく考えもせず鵜呑みにしていると、悲惨で無駄で危険な結果さえ招きかねない。
著者 スティーヴン・ダブナー
ジャーナリスト コロンビア大学でMFAを取得。同大学で教鞭を執った後、ジャーナリストに。 NYタイムズ誌、ニューヨーカー誌、タイム誌ほかさまざまなメディアで執筆を行う。
著者 スティーヴン・レヴィットシカゴ大学経済学部教授 ハーバード大学(経済学)を最優等で卒業後、MITで経済学のPh.D.取得。1994年から1997年までハーバード大学のエリート研究者養成制度ソサエティ・オブ・フェローズのジュニア・フェローに選出。 2003年、ノーベル経済学賞の登竜門と言われるジョン・ベイツ・クラーク賞受賞。2004年よりシカゴ大学ベッカー・フリードマン研究所ディレクターを兼務。 2006年、タイム誌「世界で最も影響力のある100人」に選出。2009年、ノーベル経済学賞を受賞した故ゲーリー・ベッカー、ダニエル・カーネマンらとTGGグループを設立。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
マインドマップ的読書感想文 smooth |
週刊ダイヤモンド2015年3/14号[雑誌] 八重洲ブックセンター八重洲本店販売課リーダー 真田 泉 |
COURRiER Japon (クーリエ ジャポン)2015年 05 月号 |
TOPPOINT |
週刊ダイヤモンド 2015年 4/18号 [雑誌] |
PRESIDENT WOMAN(プレジデント ウーマン)2018年12月号(ニュースがわかる経済入門) 労働経済・ミクロ経済学者 黒田 祥子 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
第1章 何でもゼロベースで考える | p.11 | 13分 | |
第2章 世界でいちばん言いづらい言葉 | p.32 | 23分 | |
第3章 あなたが解決したい問題は何? | p.70 | 13分 | |
第4章 真実はいつもルーツにある | p.91 | 17分 | |
第5章 子どものように考える | p.118 | 14分 | |
第6章 赤ちゃんにお菓子を与えるように | p.141 | 24分 | |
第7章 ソロモン王とデイビッド・リー・ロスの共通点は何か? | p.181 | 23分 | |
第8章 聞く耳をもたない人を説得するには? | p.218 | 16分 | |
第9章 やめる | p.244 | 17分 | |
最後に | p.271 | 1分 |
人の心を手玉にとる技術 ――現役コロンビア大学院生・メンタリスト・魔術師の門外不出トリック―― [Amazonへ] |