行動を変えるにはまず、失敗し続けている原因を特定し、改善しなければならない。
人間の習慣付けの仕組みを説明し、どのように悪い習慣を変えれば良いのかを、認知心理学者の著者が解説している一冊。
■新しい習慣作りを支援する構造が必要
行動をなかなか変えられないのは、習慣づけシステムが働いて、過去にうまくいった行動を無意識に繰り返しがちなせいでもある。まだ何か見返りはあるけれど変えたいという場合は、習慣づけシステムに打ち勝つ必要がある。
行動を変えにくくしているもう1つの要因は、人が自分にとってゆくゆくはプラスになる事よりも今この瞬間の快楽を優先しがちだという事だ。その結果、目標達成の系統的な失敗の多くが、将来の自分にとって将来最良の事ではなく、今の自分にとって最良の事をしがちな状況に関連している可能性が高い。
行動を変えるにはまず、自分がどんな目標を達成するのに失敗し続けているかを突き止めなくてはならない。それから、うまくいかない原因となっている行動を突き止める。最終的には、行動を長続きさせる要因を考慮に入れた行動計画作りが必要だ。
習慣付けシステムの構造を考えれば、行動を変えてその状態を維持するカギとなるツールは、次の5つである。
①目標を最適化する
②ゴーシステムを飼いならす
③ストップシステムを活用する
④環境を管理する
⑤他人と関わる
著者 アート・マークマン
テキサス大学教授 認知心理学者。2006年より認知科学学会の機関誌『認知科学』編集長を務める。「思考の速さを最大限化する」研究プログラムを開発し、P&Gをはじめ大手企業のコンサルティングも多数手がけている。 ハーバード・ビジネス・レビューやハフィントン・ポストにも寄稿。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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第1章 行動改善の難しさ | p.13 | 19分 | |
第2章 行動を持続する | p.39 | 26分 | |
第3章 目標を最適化する | p.75 | 23分 | |
第4章 ゴーシステムを飼いならす | p.107 | 23分 | |
第5章 ストップシステムを活用する | p.139 | 18分 | |
第6章 環境を管理する | p.163 | 19分 | |
第7章 他人と関わる | p.189 | 20分 | |
第8章 変化を起こす | p.217 | 22分 | |
第9章 自分以外もスマート・チェンジ | p.247 | 23分 | |
スマート・チェンジ日誌 | p.279 | 7分 |