大量の情報に惑わされず、今ここに意識を集中すれば創造性を発揮できる。テクノロジーやスピリチュアル、ビジネスなど様々な分野のリーダーを集めて、知恵にもとづいた文化の創造をめざすイベント「ウィズダム2.0会議」の創設者が、心の平静の保ち方を紹介しています。
■創造性を発揮するには心の内なる領域が大切
解決の手順が決まっているような問題の場合には、情報は多いほど役に立つだろう。しかし革新的な事に挑む時には、情報は大抵助けにならない。どれだけたくさんの情報を手に入れても、自分の存在感が強まる事はないし、気持ちが安らぐ事もない。
企業なり個人なりが創造性を発揮しようとする時、最も肝心なのは、心の内なる領域だ。もはや情報を手に入られるかで差はつかない。差がつくのは、情報を消化できるか、応用できるか、創造的に活用できるかどうかの部分だ。そのためには、情報の上手な受信の仕方を身につける必要がある。
優れたイノベーター達は既にこの事に気付いて、行動を起こしている。ツイッター社の共同創業者エヴァン・ウィリアムズは「どんな事でも、いい仕事をするためには、自分のしている事に集中する事が欠かせません」と答えている。集中していなければ、創造も反復もできないからだ。
今の時代に最も大きな影響を与えている企業の創業者達は、仕事を進める上で、内面の力を取り入れている。また、人生や企業を意味のあるものにするためには、目の前の事に意識を向ける習慣を身につける事が欠かせない。それができなければ、今の世の中ではたちまち情報の海の中で溺れてしまう。
新しい情報が途切れなく入ってくる現代。十分おきにチェックしても、新しいメール20件、新しいツイート20件、フェイスブックの更新50件を目にする事になる。このような環境に置かれていたら、1つの事に集中するとか、今この時を生きるという事がどういう事なのか、わからなくなっても不思議ではない。
そうなると、大切な人との関係が損なわれるだけでなく、仕事においても、物事を処理する能力が大きく低下する。素晴らしいひらめきの源泉である内面の声を聞く事などできない。
大多数の人にとって、テクノロジーとの付き合いは避けられず、むしろ深まる一方だろう。今後、ますますテクノロジーを通じた人とのつながりは増す。従って考えなくてはならないのは、どのようにテクノロジーを生かせばいいのか、テクノロジーをイライラやストレスの原因にせず、創造性や豊かな生活に役立てるにはどうしたらいいかだ。
著者 ソレン・ゴードハマー
Wisdom 2.0 Conference主宰者 カンファレンスを通して、マインドフルネスを用いたデジタル化社会との融合を提案する。2009年から毎年開催されているカンファレンスは、2014年は2000人を超える参加者が集まった。Huffington Postを通して実践するストレスフリーの生き方を広める。
TOPPOINT |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
序 章 | p.8 | 6分 | |
第1部 意識の向けかた | p.19 | 4分 | |
第1章 何とのつながりか | p.26 | 3分 | |
第2章 奴隷にならない | p.32 | 4分 | |
第3章 つながりとは何か? | p.39 | 9分 | |
第2部 自分を見つめる | p.55 | 2分 | |
第4章 スペースを広げる | p.58 | 8分 | |
第5章 無心で行なう | p.72 | 5分 | |
第6章 行動と内面を一致させる | p.82 | 4分 | |
第7章 止まることを受け入れる | p.90 | 8分 | |
第3部 創造力を引き出す | p.105 | 2分 | |
第8章 しようとしない | p.108 | 4分 | |
第9章 力を抜く | p.116 | 3分 | |
第10章 静寂と仲良くなる | p.122 | 3分 | |
第11章 体の声に耳を傾ける | p.128 | 3分 | |
第12章 行き詰りを拒まない | p.134 | 4分 | |
第13章 今このときに秘められた力を知る | p.142 | 4分 | |
第14章 創造性を引き出しやすくする | p.150 | 3分 | |
第15章 何もせず、じっと座っている | p.156 | 3分 | |
第16章 執着することの無益さを知る | p.162 | 7分 | |
第4部 真実と向き合う | p.175 | 1分 | |
第17章 先入観に気づく | p.177 | 5分 | |
第18章 知らないことから目を背けない | p.186 | 3分 | |
第19章 自分の正しさにこだわらない | p.192 | 6分 | |
あとがき | p.204 | 1分 |
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