若い世代で、男子が女子化している。美容や料理などに興味を持つ男子が、新しい消費市場を創り出しているという現状を紹介している本。
■男子の女子化
ここ数年、若者たちが「ゆとり世代」や「さとり世代」と呼ばれ、その特徴として、車離れや海外離れ、お酒離れに代表される消費離れや、恋愛・結婚離れなどが挙げられている。全体的にかつての戦後の若者像とは一変して、元気がなくなってきていると言われる事が多い。
特に女子よりも「男子」の方により元気がなくなってきているように見える。しかし、女性だけを見ると、「専業主婦志向」が高まっているように、ゆとり世代の女子は保守化している。一方、若年男性の変化の方は活発になっている。その変化とは「男子の女子化」である。男子が昔より元気がなくなって見えるのは、かつての肉食的な男性性とは対極にある「女子力」を身につけるという方向への急激な変化に気付いていないからである。
■女子力男子の特徴
女子力男子を定義すると「従来、女性がやっていたり、得意とされたりした領域の力が備わっている男性」という事になる。若年男性の間で急増している。女子力男子は、草食男子と異なり、恋愛やセックスに対し、必ずしも消極的とは限らない。逆に異性にモテるための武器として、女子力を身につけたタイプも多いのが特徴といえる。
今の若年男子が全体的に女子化しており、その中でも「女子力男子」と言うべきと国女子力を身につけた男子層がかなり増加している。
既に多くが飽和し始めている様々な女性市場に対し、この広がりを見せる女子力男子市場は大変魅力的な市場になりつつある。同時に、この女子力男子は価値観が多様化した成熟社会の象徴の1つでもあるので、今後、日本のみならず、アジア各国でも女子力男子市場は増えていき、グローバルに共通する巨大な市場になっていくだろう。
著者 原田 曜平
1977年生まれ。博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー 大学卒業後、博報堂入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、現職。多摩大学非常勤講師。 2003年JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。専門は若者研究で、日本およびアジア各国で若者へのマーケティングや若者向け商品開発を行っている。
日経ビジネス |
週刊ダイヤモンド 2015年1/24号 [雑誌] 紀伊國屋書店和書販売促進部係長 水上 紗央里 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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序 論 「男子は女子より元気がない」説は本当か | p.8 | 9分 | |
第1章 違和感だらけ? 女子力男子の実態 | p.23 | 13分 | |
第2章 「若者の消費離れ」、読み解くカギは女子力男子にあり | p.45 | 8分 | |
第3章 女子力男子はなぜ急増したのか | p.59 | 16分 | |
第4章 日本で世界で 男子の女子化はとまらない | p.87 | 12分 | |
第5章 リアル女子力男子 81人大解剖 | p.107 | 45分 | |
第6章 女子力男子に響く新商品・サービスのアイデアの芽 | p.185 | 9分 | |
特別収録 リアルな思考丸わかり! 女子力男子座談会 | p.201 | 18分 | |
あとがき | p.232 | 4分 |