「世界初のマグロの完全養殖」によって知名度を高めた近畿大学の学生獲得戦略が紹介されている本。学生数の獲得が重要な課題となっている時代にあって、なぜ近大は「志願者数1位」になることができたのか。
■2018年問題
現在、日本の四年制大学の進学率は50%を超えているという。大学進学者が増えたおかげで、全国の大学は特別な経営努力をしなくてもこれまでは学生がそれなりに集まっていた。しかし、18歳人口は2018年から減少に転じ、2031年までに33万人も減少すると予測されている。778校ある国立・私立大学が限られた若者を奪い合わなければならない時代に突入している。
そうした状況の中で、2014年度に実施された私立大学の一般入試では、近大に集まった志願者数が10万5890人に達したという。教育界では、全国の大学の人気や経営状態を表す1つの指標として、入学試験の志願者数に着目している。この数字によって、近大は「全国1位」に躍り出た。4年間連続して1位を獲得していた明治大学は、近大に首位の座を譲る事になった。
近大の志願者数全国1位になった理由
①積み重ねてきた入試改革がネット出願と合体する事で一層わかりやすくなったこと
②女子学生が増えたこと
③100%のエコ出願化がメディアで話題を呼んだこと
④近大マグロのニュース効果が重なり合ったこと
⑤理工系人気(近大の半分以上が理工系)
著者 山下 柚実
1962年生まれ。作家・コラムニスト 五感生活研究所代表 身体と社会との関わりに関心を持ち、「五感」を中心テーマに据えて取材を重ねてきた。月刊誌連載、新聞エッセイ、ネットコラムなど数多く手がける。第一回小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞。
帯 ライブドア元代表取締役 堀江 貴文 |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
日経ビジネスアソシエ 2015年 03 月号 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに――近大の「なぜ」には「理由」がある | p.2 | 7分 | |
第1章 志願者数トップの理由 | p.21 | 19分 | |
第2章 近大マグロを誕生させた大学力 | p.59 | 24分 | |
第3章 教育と経営が共存する秘訣 | p.105 | 31分 | |
第4章 若者の心をつかむ情報発信力 | p.165 | 25分 | |
第5章 近大が日本一へと躍進した原点 | p.213 | 17分 | |
あとがき | p.247 | 4分 |