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大量生産の終焉

20世紀の常識では、コストも時間もかかるカスタマイゼーションは、よほど特殊な小規模企業でない限り、非効率なビジネスモデルとされていた。2000年代の初期まで、その壁をぶち破って本格的にカスタマイズ事業のビジネスモデルを展開していた小売メーカーは、デル1社だけだった。

しかし、2040年までには、食べるもの、着るもの、車、広告、海外旅行と、消費者の買うものすべてが、個人の好きなようにカスタマイズされるようになる。カスタマイゼーションは単なるトレンドではない。

急激に、一般消費財メーカーが低コストでカスタマイズサービスを提供する事が可能になったのは次の要因による。

①インターネット回線の高速化
②ウェブデザインの低価格化
③オンライン決済に対する信頼感
④インターネット接続がいたるところで可能に
⑤インターネットでニッチメディア広告が可能に
⑥発送システムの効率化

以上の要因によって、ありとあらゆる形の完全カスタム商品が、初めて、大量生産品とさほど変わらない価格と品質で手に入るようになった。但し、それでもカスタマイズ製品は大量製品よりは高くつく。そこでカスタマイズ企業は、インターネットによる消費者への直接販売モデルによって補っている。

カスタマイゼーションという巨大な成長市場が、アメリカの主要業界の一部を占めるようになる日は近いだろう。

選択のパラドックスを克服する

選択肢がありすぎると、人は選ぶ事ができなくなるというパラドックスがある。カスタマイズ事業で成功している会社は、どこも選択肢の問題に打ち勝つための「2つの共通法則」を見出している。

①顧客に選択肢を与えすぎてはいけない
②まず完成したデザイン見本を顧客に選ばせる

顧客にとって、選択する事はそれほど難しいのならば、1つのモデルを量産して押し付ける方がよいのではないかという疑問がある。しかし、行動心理学では、人は自分で苦労して作り上げたものをことさら愛でるという事が、既成事実とされている。目標とすべきは、顧客を疲れさせない程度に夢中にさせる事である。

カスタマイゼーションの7つの教訓

①大量生産と張り合うスピード・品質・価格を目指す
②最高のカスタマーサービスを提供する
③顧客が商品を気に入る事を再三保証する
④どんな場合でも顧客に選択肢を与えすぎない
⑤顧客行動を促す感情をターゲットにし、技術をダイレクトに売り込まない
⑥顧客が自社を褒めやすい環境を作る
⑦顧客の声を聞く