神田昌典氏が発明した、ストーリーの創作を通じて、自分の隠れた才能を見つけるためのメソッド。非日常のストーリーを利用することで、現実的な課題を達成することができると説く。
■フューチャーマッピングとは
「フューチャーマッピング」と呼ばれる課題達成法は、仕事上の現実的な結果をだすものだ。結果をだすためには、努力だけではどうにもならない事が多い。スキル、お金など自分に足りない何かを補わなければ、現実は変えられないと思いがちだ。しかし、フューチャーマッピングは、課題を達成する才能や、お金・人脈などのリソースを既に自分が持っている事に気付く事で、無理なく結果をだしていく。
フューチャーマッピングでは、未来から現在へと流れる波を描き、理想の未来と現状のギャップを埋めるように発想を広げていく。物語を通じて、自分の内面に深く入っていく事で、今まで気付く事のなかった個人の才能や組織のリソースを発見。その才能・リソースが、課題達成に向けた行動により、表面に浮き上がってくる時に、偶然の出来事が起こる。その驚きをきっかけにフロー状態がはじまり、夢中になって目の前の課題に取り組んでいる内に、必然の未来を実現する。
■ストーリー思考がもたらす5つの仕事力
フューチャーマッピングが、想像以上の現実を生み出す最大の理由は、その底流に「物語(ストーリー)」をおいているからだ。ストーリーは「はじめ」「なか」「おわり」の3つがハッキリした構成になっていれば良い。この3つが構成されたストーリーには、5つのメリットがある。
①頭にこびりつく
②危機をチャンスに変える
山あり谷ありが葛藤を生み、創造性を生み出す。
③真の問題をあぶりだす
視界が狭くなった自分自身を目の前の問題から切り離し、一段上から客観的に自分を見られるようになる。
④売れるネーミングを生み出す
ストーリーが満ちた時に、ネーミングは降ってくる。映画のストーリーがないところに映画のタイトルが生まれないように、商品のストーリーがないところに、売れるネーミングは降ってこない。
⑤異なる才能を統合する
チームワークで相乗効果を出していく上で強力な効果を発揮するのがストーリーである。ストーリーとは、そもそも異なる登場人物が、多様な視点を提供する事で最終的に共通の敵を打ち倒し、全員めでたしという新しい現実を創るプロセスである。
著者 神田 昌典
1964年生まれ。経営コンサルタント アルマクリエイションズ代表取締役 大学3年次に外交官試験合格、4年次より外務省経済局に勤務。その後、米国家電メーカー日本代表を経て経営コンサルタントとして独立。 多数の成功企業やベストセラー作家を育成し、総合ビジネス誌では「日本のトップマーケター」に選出。 2012年、大手ネット書店の年間ビジネス書売上ランキング第1位。 2018年、マーケティング分野で歴史的権威があるDMA国際ECHO賞の国際審査員に抜擢。ビジネス分野のみならず、教育界でも精力的な活動を行っている。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
プロローグ:たった3日間の実験で…… | p.1 | 10分 | |
第1章 ストーリーは、人を突き動かす原動力 | p.14 | 12分 | |
第2章 あなたの中に眠っているストーリーの力 | p.29 | 26分 | |
第3章 新しい現実への旅立ち | p.62 | 14分 | |
第4章 7つの実験――フューチャーマッピングをやってみよう | p.79 | 115分 | |
第5章 未来をつくる行動事例 | p.222 | 21分 | |
第6章 よく聞かれる13の質問 | p.248 | 7分 | |
おわりに:世界に提供したい日本の才能 | p.257 | 2分 |
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