世界的に著名なデザインファームfrogの破壊的アイデアを生み出す方法。デザイン思考によって、常識を破るアイデアを生み出すための方法論が紹介されています。
■常識を破る5つのステップ
デザイナーは伝統をくつがえし、普通のものを予想外のものに改めるよう教え込まれており、製品やサービスと将来的な顧客の間に、感情的なつながりを持たせようとする。一方でデザイン学校は、それが商業化できるものか確かめる方法を教えない。経営者や企業家たちの多くはデザインを工夫する必要があると理解していながら、充分な意識を向けていない。多くの人にとってデザインは視野の外だ。それに対応するように、破壊的思考法をデザインの世界以外で利用しようとする人も少ない。しかし、製品、サービス、ビジネスモデルのすべてがデザインの産物である。
破壊的思考は5つの段階を通じて進行していく。
①破壊的仮説を立てる
②マーケットに眠る破壊的チャンスを見つける
③破壊的アイデアをいくつか生み出す
④アイデアを単一の破壊的ソリューションに仕上げる
⑤破壊的売り込みを行い、ステークホルダーから投資や賛同を得る
■常識を破る5つのステップ
①破壊的仮説を立てる
・破壊したいと考えている業界やマーケット、カテゴリーの全体的な状況を定義する
・その状況の中で、生産者や消費者の思考に影響を及ぼしている前提や習慣を見つける
・常識をルービックキューブのようにひねり回し、新鮮な眼で精査する
②破壊的チャンスを見つける
・仮説に基づき、疑問に思う事をリストアップする
・ターゲットとなる層、潜在顧客を定義する
・その状況の中で製品やサービスを利用する人々を観察し、話を聞く
・長い間注目をあまり集めてこなかった、うっとうしい程度の問題を探す
・関連性のある観察結果をまとめ、鍵となるテーマを見つける
・洞察と仮説の組み合わせの中から、一番合ったものを見極める
③破壊的アイデアを生み出す
・アイデアづくりのため、破壊的チャンスをいくつかの部分に注目し、分割する
・それぞれの問いの答えを創造的に考え、できる限り多くのアイデアを生む
・最も大きな違いを生み、消費者や自社に最大の利点をもたらすアイデアを3つ選ぶ
・3つのアイデアにおいて、断片、利点を混ぜ合わせる
・アイデアに名前をつけ、価値を表現し、違いを言葉にし、視覚化する
④破壊的ソリューションを仕上げる
・リサーチ対象となる消費者を集め、ランク付け、改善アイデアをもらう
・消費者のフィードバックに基づき、改良を加える
・アイデアの大雑把なモデルを作り、視覚化する
・プロトタイプを作り、アイデアを洗練させていく
⑤破壊的プレゼンで売り込む
・聴衆に共感を覚えてもらう
・聴衆を驚かせ、引き込み、好奇心をかきたて、緊張感を生む
・聴衆に対し、ソリューションを明かし、その価値に対する信頼を得る
著者 ルーク ウィリアムス
ニューヨーク大学スターン・ビジネススクール バークレー・アントレプレナーシップ・アンド・イノベーション・センター所長、教授 世界的デザインコンサルティング企業frogのフェロー。欧米・アジアの大企業からスタートアップまで、交通、金融、ヘルスケア、食品、小売、家電製品、メディア、通信、ソフトウェアなどのさまざまな業界において、100以上の新製品やサービスのデザインに携わってきた。 また、破壊的イノベーション、起業、文化変容などのテーマで世界各国において講演をしており、これまで招聘された国は21か国におよぶ。彼のコメントは『ブルームバーグ・ビジネスウィーク』、『ファスト・カンパニー』、『GQ』、『アトランティック』、『ウォール・ストリート・ジャーナル』、『フォックス・ビジネス』、『MSNBC』などのメディアで定期的に取りあげられている。
帯 Living in Peace 代表 慎 泰俊 |
マインドマップ的読書感想文 smooth |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
イントロダクション | p.13 | 12分 | |
第1章 破壊的仮説を立てる | p.35 | 16分 | |
第2章 破壊的チャンスを見つける | p.61 | 28分 | |
第3章 破壊的アイデアを生み出す | p.107 | 23分 | |
第4章 破壊的ソリューションを仕上げる | p.145 | 26分 | |
第5章 破壊的プレゼンで売り込む | p.187 | 23分 | |
エピローグ | p.225 | 2分 |
人間中心デザインに基いたイノベーションを起こすための、主として非デザイナーを対象とした発想法。…
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