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2014/10/22更新

うまい棒は、なぜうまいのか? 国民的ロングセラーの秘密

95分

4P

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うまい棒はなぜ生まれたのか

うまい棒の出発点は「10円の駄菓子を生み出したい」「親から渡されたものではなく、自分で選んで自分で買えるものを」と考えた事だ。うまい棒が誕生した1979年は、第2次オイルショックの年。その影響で物価が高騰していて、10円の駄菓子が次々に姿を消していた。そんな状況を見て「何か10円のお菓子を作って、子供達を喜ばせたい」と思っていた。そんな時に出会ったのが「エクストリューダー」という機械。これを使えば、棒状のパフスナックを低コストで大量に生産できる。工夫すれば10円の商品を作れると考えた。

うまい棒が売れ続ける理由

うまい棒の大きな魅力の1つは「いろんな種類がある」ということ。現在は18種類あり、毎年1〜2種類の新商品がコンスタントに発売されている。当時も、こんなに多くの種類がある駄菓子はなかった。この「選べる」インパクトは強く、これで火がついた。

うまい棒の売れ続ける理由の1つは、とことん味にこだわること。「たこ焼味」は一度タレをつけて焼いた後、粉をかけて、もう一度焼いている。普通は、コストがかけられない10円の駄菓子なんだから「一度仕上げ」でいいと考えても不思議ではない。しかし、あえて「二度仕上げ」をする。駄菓子だからといって、手を抜いたら選んでもらえなくなる。その前提には「子供は大人が思うより、はるかに味がわかっている」という考え方がある。だから、1つ1つの味はいい加減に作れないし、細かいところにもこだわっている。

うまい棒の魅力は「他で味わえない斬新な味が楽しめる」事にもある。今でこそ定番になっている「めんたい味」や「サラミ味」も当時としては画期的だった。最近では「シュガーラスク味」や「牛タン塩味」「エビマヨネーズ味」と他では食べられない味がたくさん出ている。大手のスナック菓子と真正面から勝負するのではなく、ニッチな風味を開拓したからこそ、うまい棒は生き残れた。

大切なのは1本だけ食べてもらうのではなく、1本食べ終わった後に理屈抜きにもう1本食べたいと感じてもらえる味かどうか。しかし、売れる味を見極めるのは難しい。そこで行き着いたのが、1年に1〜2種類の新商品を出して、売れないものは躊躇しないでやめる事だ。うまい棒の新商品が1年以内に製造終了になる事があるが、それは見切りを早くしているから。こうする事で、リスクを最小限に抑えながら、斬新な味を送り出してきた。

うまい棒が人気を呼んだ要因は「個包装」にもある。当時は10円のお菓子を包装して売るという発送はなかった。湿気ないために、コストが高くなって利益が減るのを覚悟して袋に包んだ。これで買いやすくなり、支持を得た。