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2014/10/13更新

競争の科学——賢く戦い、結果を出す

340分

3P

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勝つ見込みがあると感じることでパフォーマンスが向上する

競争の特徴の1つは、他者に挑戦される事で、努力レベルを押し上げられるようになる事だ。但し、競争能力を高めるためには、競争が「接戦」である事が何より重要である。競争者に「頑張れば勝てる」と思わせる事が重要なのだ。人は軽々と勝てると思うと、全力を出そうとはしなくなる。どうあがいても勝ち目がないと思った時も、懸命に努力するのをやめる。

成功の見込みをどの程度感じているかは、競争能力に多大な影響を及ぼしている。競争しているのが10人なのか100なのかによって、パフォーマンスには大きな違いが生じる。競争相手が多すぎても、努力レベルの低下が生じてしまう。

ホームアドバンテージ

場所は、私達に大きな影響を及ぼしている。ホームアドバンテージを持つ者は、大きな恩恵を受ける。アウェイ側に比べ、多い場合は160%もの成果を得る事ができる。それはなぜ起こるのか。近年では、ホームアドバンテージは人間が進化の過程で生得的に獲得した縄張り意識に根ざすものであるという見解が主流になっている。縄張り意識が活性化すると、侵入者に果敢に立ち向かおうとする事で、競争心が高まる。縄張りを脅かす存在を感知した時、人は自信と意欲を高め、攻撃的になる。最適な方法で状況をコントロールしているという、自己効力感も高まる。

男女の違い

競争とは負けのリスクをとる事だ。競争に投資をするほど、負けて失うものも多くなる。このリスクの判断方法が、女性と男性では異なる。女性は負ける可能性を認識する事に優れている。一方の男性は、負ける可能性をうまく認識できず、自信過剰である。男性は勝利だけに注目する傾向がある。男女のどちらもが競争への参加を決める時、リスクと報酬を天秤にかけて計算をする。但し、そこには違いがある。女性は勝算に注目し、男性は勝つ事に注目するのだ。人は勝算に注目すると競争への参加率が低くなり、勝つ事に注目すると高くなる。

獲得型と防御型

人間行動の根源には、快楽を求める事と苦痛を避ける事がある。この2つは大抵、どちらかがわずかに優位になっている。競争のプレッシャーにさらされると、このバランスがさらにどちらか一方に傾く事がある。競争の開始前や競争中の決定的瞬間に近づくまでは、快楽を求める事が多い。だが決定的瞬間が近づくと、得る事よりも失わない事に意識が向き始める。この概念を「獲得型志向」と「防御型志向」と呼ぶ。

競争の終盤になり、ゴールが間近に迫ってくると、防御型志向にシフトする傾向が強くなる。ほとんどの競争者にとって、パフォーマンスを発揮しやすいのは前者である。様々な状況で「脅威」から「挑戦」にフレームを切り替える事が成功の鍵になる。