資格よりも職歴
職務に必須とされる資格を除くと、その他の任意取得の資格に関しては、一般のキャリア本や資格取得学校で語られているほど転職時に評価されない。弁護士資格を取っていても、法務職に就いたり、弁護士事務所に入ったりする場合以外にはあまりメリットはない。中小企業診断士も難易度の割に、転職の際に評価を受けにくい。望むキャリアを実現するためには、資格の取得に奔走する前に、その資格が本当に自分のキャリアに役立つのかを慎重に見極める事が大切である。
転職時には「資格」よりも「職務経験」の方が大きな意味を持つ事が多い。そのため、入りたい業界や企業に評価されるような職歴をどのように積むかを考える事が大切である。
年収をアップするにはどうすれば良いのか
年収の高低を分けている「年収の壁」というものが世の中には存在する。年収を上げたいと考えるのであれば、まずはこの「壁」の存在を知り、それを越える手立てを考える事が先決である。
①階層の壁
会社における階層は「資本家」「経営者」「従業員」の3つ。従業員側で頑張る事と、壁を越えて資本家や経営者側で頑張る事は、年収面において決定的に違う。階層を越える代表的な方法の1つが自分で起業する事である。
②外資の壁
外資系企業と日系企業の間には、同じ業界の同じ仕事でも年収差がかなりある。そのためビジネス英語を使えるようになり「外資の壁」を越えると、年収アップにつながる可能性が高くなる。年に1回の一発勝負となるリスクの高い資格試験に労力を割くよりも、英語の学習は魅力的な努力の仕方と言える。
③業界の壁
同じ大手の日系企業でも、製造業より都市銀行の方が給料が高く、総合商社の給料はさらに高いという傾向がある。同じ職種でも、業界を選ぶ事によって年収をアップさせる事ができる。
転職市況が良い時に動く
新しい領域にキャリアチェンジしたい場合には、早めにチャレンジする事がお勧めである。年齢が上がるほど「即戦力人材であること」「短期間で成果を出すこと」が求められるようになる。従って、職務経験がない領域にポテンシャル採用での転身が受け入れられる可能性は毎年下がっていく。
また、人材市場の市況を活用するためにも、若いうちから適切にキャリア設計しておく事が大切である。転職活動において「人材市場の市況」は、その成否を握る極めて重要な要素である。企業側の採用意欲が高い時には受かりやすく、年収やポジションなどでいい条件を獲得しやすくなる。いわゆる「実力」とは無関係というのがポイントであり、市況がいい時に動いてキャリアを飛躍させる事が大切である。