ゼロを1にするために必要な考え方
シリコンバレーの起業家達は、ドットコム・バブルの崩壊から4つの大きな教訓を学んだ。それが未だにビジネスを考える時の大前提となっている。
①少しずつ段階的に前進すること
小さく段階的な歩みだけが安全な道だ。
②無駄なく柔軟であること
すべての企業は「リーン(贅肉がない)」でなければならず、それは即ち「計画しない」事である。
③ライバルのものを改良すること
本当に商売になるかどうかを知るためには、既存顧客のいる市場から始めるしかない。成功しているライバルの人気商品を改良する事から始めるべきだ。
④販売ではなくプロダクトに集中すること
テクノロジーは製品開発にこそ活かされるべきで、販売は二の次でいい。
しかし、むしろ正しいのは、それとは逆の原則だ。
①小さな違いを追いかけるより大胆に賭けた方がいい
②出来の悪い計画でも、ないよりはいい
③競争の激しい市場では収益が消失する
④販売はプロダクトと同じくらい大切だ
次世代の企業を築くには、バブル後に刷り込まれた教義を捨てなければならない。但し、すべてを逆にすればうまくいくという訳でもない。むしろ、こう自問するべきだ。ビジネスについて、過去の失敗への間違った反省から生まれた認識はどれか。何よりの逆張りは、大勢の意見に反対する事ではなく、自分の頭で考える事だ。
独占はすべての成功企業の条件
完全競争の反対が独占だ。完全競争下の企業が市場価格を強いられる一方で、独占企業は市場を支配しているために自由に価格を設定できる。競争がないので、独占企業は生産量と価格を調整して利益の最大化を図る。完全競争下ではすべての収益が消滅する。だから起業家ならこう肝に命じるべきだ。永続的な価値を創造してそれを取り込むためには、差別化のないコモディティ・ビジネスを行ってはならない。
独占企業は、たいてい次の特徴のいくつかを合わせ持っている。この特徴に従って自分のビジネスを分析する事が、存続可能な企業を作るのに役立つ。
①プロプライエタリ・テクノロジー
プロプライエタリ・テクノロジーは、本物の独占的優位性をもたらすようないくつかの重要な点で、2番手よりも少なくとも10倍は優れていなければならない。
②ネットワーク効果
利用者の数が増えるにつれ、より利便性が高まるのがネットワーク効果だ。そのネットワークは、まだ小規模な時の初期ユーザーにとって価値あるものでない限り、効果は広がらない。
③規模の経済
独占企業は規模が拡大すればさらに強くなる。規模拡大の可能性を最初のデザインに組み込むのが、優良なスタートアップだ。
④ブランディング
強いブランドを作る事は独占への強力な手段となる。