情報が溢れる時代に、いかに適切な情報を選び、判断すればいいのか。
本当に正しい情報を見極める方法と、決断のミスを減らすためのテクニックが紹介されている一冊。
■選択を邪魔するもの
選択の達人になるとは、情報の収集、選別、調査分析をうまくこなし、誰を信じ、誰の助言に耳を傾けるべきかをしっかりと見定め、様々な選択肢をきちんと分析し、異なる意見を比較評価できるようになる事だ。私達をとりまく環境には、優れた判断や賢明な選択を邪魔する強力な要因が3つある。
①情報の洪水
研究によると、私達の頭には別々の情報を一度に7つまでしか保持できない。情報があまりに多いと、人は逆に途方に暮れてしまう。
②中断という麻薬
メール、携帯電話、SMS、電話のコール音。近年、私達は起きている時間の3/4を情報を受け取る事に費やしている。ひっきりなしの電話とメールによって、人のIQは一時的に10ポイントも低下する。
③無秩序な時代
既成の秩序が私達の周りで崩壊している。無秩序の時代には、過去はもはや未来の道標にはならず、未来の予測もままならない。
■正しい情報を見落とさないためのヒント
①最もわかりやすいデータの向こう側を見る
②数字は部分的なストーリーしか語っていない事を覚えておく
③どんな形態で情報を受け取っているかに気付く
④自分が考えている事を裏付ける情報を求めない
⑤自分のために考える時間を確保する
⑥他の判断や可能性を検討できる時間を自分に与える
⑦集中力を奪う「日常の気晴らし」を見極める
⑧過去を確固たる道標とみなすのはやめる
⑨プランB、C、Dといつでも方針転換できるようにする
⑩必要になるまで大きな決断は避ける
著者 ノリーナ・ハーツ
ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ教授 ケンブリッジ大学・国際ビジネス経営センターのアソシエイト・ディレクター。オランダのドイゼンベルグ・スクール・オブ・ファイナンス教授。 ケンブリッジ大学のユニバーシティ・カレッジで哲学と経済学を修め、1991年にアメリカのペンシルバニア大学ウォートン校にてMBAを取得。その後、ロシアのサンクトペテルブルクで同国初の証券取引所設立に携わり、当時のエリツィン大統領の市場経済アドバイザーも務める。 1995年に帰英し、ケンブリッジで博士号を取得した後は、民間セクターが中東和平に果たすべき役割を探る調査団のリーダーを務めた。 現在は経済学者として教鞭を執る一方、多数の大企業の経営コンサルタントとしても活躍。TED、世界経済フォーラム、英米を中心とした多くのメディアで、国際的に執筆・発言している 。
週刊 東洋経済 2014年 8/30号「保険のウソホント/社長の器・片山幹雄シャープ元社長」 |
日経ビジネス Associe (アソシエ) 2014年 10月号 |
COURRiER Japon (クーリエ ジャポン)2015年 05 月号 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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Chapter1 選択と決断が人生を変える | p.15 | 16分 | |
Chapter2 目を見開いて世界を見る | p.37 | 56分 | |
Chapter3 “真実の管理人”になる | p.113 | 47分 | |
Chapter4 デジタル情報の海に溺れない | p.177 | 48分 | |
Chapter5 情報を選ぶ技術を磨く | p.243 | 63分 | |
Chapter6 いまこそ変革を起こす | p.329 | 27分 | |
エピローグ | p.366 | 6分 |
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