これからの人手不足となる時代には、人を大切にする会社でなければ生き残れない。社員第一を掲げ、高い業績を出している企業を数多く紹介しながら、社員もお客様も幸せにする経営のあり方を解説している本です。
■人本主義とは
「いい会社」とは社員、取引先、お客様、地域社会の住民、株主という企業に関わる人を大切にする経営を実践し、実現していく事でステークホルダーに支援され、持続的に好業績という結果を生み出している会社である。この人を大切にする経営を「人本経営」、人を大切にする志向を優先する事を「人本主義」と形容する。
人本主義とは、信頼を元手に関わる人を大切にする経営活動により、結果として利益が得られ、それをより幸福追求するための手段として永続していくシステムのこと。よって企業は、最も近い人である社員の幸福の極大化を実現させていく事が目的となる。経営は「幸せ軸」に沿って展開されていく。利益の意味が「業績軸」資本主義では目的であるのに対して、「幸せ軸」人本主義では結果・手段と真逆に捉えられる。
「業績軸」資本主義は、出資者、資本家である株主の満足を大本に考えざるを得なくなる。「幸せ軸」人本主義は、近い人から順に満足を高める事が原則になる。
人本経営の形成過程は、次のようなプロセスとなる。
①経営者が人本経営を志し、日々実践していく
②本気でいい会社づくりをしようとする経営者の背中と心を社員達が感じる
③安心して、いい会社をつくっていくための行動をしていいのだと社員の心に伝播する
④より一層、心ある商品やサービスが形づくられていく
⑤その商品やサービスに触れたお客様が「この会社の表品、サービスは違う」と感動を覚える
⑥リピート客が増えるようになる
⑦口コミが広がり新規顧客が増え始める
⑧会社の空気感、風土が良くなる
⑨その職場の雰囲気に憧れて入社を希望する若者が多く集まる
⑩価値観の合う優秀な人材の採用に困らなくなる
⑪優秀な人材がさらに経営理念を具現化させ幸せ感をもって働くようになる
⑫業績に反映され、さらにいい会社をつくるための手段としての高収益が実現されていく
人本経営が形づくられるために最も重要な事は「いい会社をつくるための行動」と言える。
著者 小林秀司
1960年生まれ。社会保険労務士・内閣府選定地域活性化伝導師 株式会社シェアードバリュー・コーポレーション(SVC)代表取締役 教育出版会社、株式会社日本マンパワーを経て、1997年に独立しSVCを設立。2009年より法政大学大学院の坂本光司教授に師事し、2011年、法政大学大学院政策創造研究科を修了。経済産業大臣賞・中小企業庁長官賞「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」創設にも深く関わった。 人を大切にする会社づくりのトータルプロフェショナルとして、自治体や経営団体、企業等での講演や研修、コンサルティング実績多数。 内閣府委嘱・地域活性化伝道師、法政大学大学院中小企業経営革新研究所特任研究員、国立島根大学非常勤講師・島根県立大学非常勤講師。
帯 法政大学大学院政策創造研究科教授 坂本 光司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.2 | 2分 | |
序 章 「いい会社」は人本主義 | p.13 | 4分 | |
第1章 今、起こっている新しい現実 | p.19 | 12分 | |
第2章 これからは人本経営が成功する事業モデルと証明された事実 | p.39 | 13分 | |
第3章 理念に「幸せ軸」を強く反映させる | p.61 | 31分 | |
第4章 実践 社員第一主義経営 | p.113 | 24分 | |
第5章 ファシリテータ型次世代リーダーを育成する | p.153 | 18分 | |
第6章 人を大切にする会社のパートナーシップ | p.183 | 7分 | |
第7章 「いい会社」から「大切にしたい会社」になるために | p.195 | 18分 | |
第8章 人本経営で地域も元気に | p.225 | 8分 | |
あとがき | p.238 | 2分 |
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