様々な書籍やTEDでも人気のコラムニスト、マルコム・グラッドウェルが「弱者が強者に勝てる理由」を、様々なエピソードをもとに紹介している一冊。
■同じ土俵で戦う必要はない
過去200年に起きた大国と小国の紛争の勝敗表をつくってみよう。人口および兵力に、少なくとも10倍の開きがある事が条件だ。ほぼすべての人が大国の勝率は100%に近いと予測するはずだ。
政治学者アイヴィン・アレグィン=トフトがはじきだした結果は71.5%。1/3弱の戦いで小国が勝利している。アレグィン=トフトはさらに、小国が大国と同じ土俵に乗らず、常識はずれのゲリラ戦法を採用した場合も計算した。すると小国の勝率は28.5%から63.6%に跳ね上がった。
弱者が勝つ事はありえない、と私達は思っている。しかし、アレグィン=トフトの試算は、むしろその逆である事を示している。
勝ち目のない戦いに挑む精神は尊い。そこから扉が開かれて、新しい歴史や価値がつくられる。そして、どんなに強くて大きい巨人にも、必ずどこかに致命的な弱点を持っている。
著者 マルコム・グラッドウェル
1963年生まれ。ジャーナリスト 『ワシントン・ポスト』紙のビジネス、サイエンス担当記者を経て、雑誌『ニューヨーカー』のスタッフライター。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
マインドマップ的読書感想文 smooth |
週刊ダイヤモンド2014年9/13号[雑誌] |
THE21 2017年 08 月号 脳科学者 茂木 健一郎 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
プロローグ ダビデとゴリアテ 羊飼いの少年はなぜ屈強な大男を倒せたか | p.1 | 8分 | |
第1章 弱小チームが勝つには 相手と同じ土俵で戦うな | p.24 | 13分 | |
第2章 貧しい家の子が勝つには 裕福な家の子にハングリー精神は宿るか | p.43 | 15分 | |
第3章 二流大学が勝つには 「そこそこの大学の優等生」と「一流大のそこそこの学生」はどちらが有望か | p.65 | 22分 | |
第4章 識字障害者が勝つには 逆境を逆手にとる戦略 | p.98 | 17分 | |
第5章 親に先立たれた子が勝つには 不幸な体験がリモートミスに変わるとき | p.122 | 26分 | |
第6章 マイノリティが勝つには 公民権運動とトリックスターの関係 | p.159 | 17分 | |
第7章 精鋭の治安部隊に勝つには 正統なき統治が失敗する理由 | p.184 | 21分 | |
第8章 突然の悲劇に勝つには 「アメリカ史上最も壮大な刑法運用実験」の盲点 | p.214 | 19分 | |
第9章 自分の運命に勝つには ナチスに抵抗をつづけたある牧師の生涯 | p.241 | 9分 |
知恵の七柱 (1) (東洋文庫 (152)) [Amazonへ] |