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2014/09/08更新

無印良品の、人の育て方 “いいサラリーマン"は、会社を滅ぼす

149分

3P

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人材育成の8割は異動で決まる

無印良品では「人間育成」をしている。そのために必要なのが「修羅場体験」である。逆境こそ、最も人を成長させる。ぬるま湯に成長する機会はない。ぬるま湯では、革新的な事を考える必要はない上、問題が起こった時に覚悟をもって突破する力は身に付かない。だから無印良品では、あえて社員に高めのハードルをつくる。その代表例が異動である。

・本人が希望している異動を尊重する
・3〜5年で異動になるケースが多い
・全く違う部署に異動させるケースが多い
・年齢にとらわれず若手にも重要ポジションを任せる
・部門長を新規分野に出す

人材育成の8割は異動で決まる。適材適所を実現させれば、社員は大きく成長できる。

企業の部署やチームでは、常に全体最適を考えて行動しなくてはならない。そして、全体最適の視点を持つために必要なのが「複数の視点」を獲得する事である。異動によって別の部署に移れば、今までいた部署を外側から見る機会が得られる。

無印の異動の大きな特徴は3〜5年という短期間で移る点にある。絶え間ない異動は、個々のビジネスパーソンにとって多くのメリットがある。

①確実なキャリアアップ
②チャレンジ精神の維持
③多様なネットワークの広がり
④他人の立場への理解が深まる
⑤視野を広げられる

異動をうまく機能させれば、どんな社員でも育てられるし、長く働いてもらえる。

折れない社員に育てる

若者が早期離職してしまう理由は、理想と現実の違いを知る「リアリティ・ショック」にある。現実の会社というのは、一見すると矛盾だらけの中で動いている。また、やりたい仕事があっても、そう簡単にやらせてもらえるほど会社は甘くない。

こういうケースには「現実を前もって知ってもらう」という方法が一番いい。無印良品では、採用の内定者が決まると、店舗でアルバイトをしてもらう。実際に自分が店に立つと、抱いていたイメージと現実は全く違う。立ち仕事、力仕事、お客様からのクレームなど、様々な体験を通して、現実が身に染みていく。

新入社員は「商品の開発をしたい」「海外に行ってみたい」といういろいろな理由で入ってくるが、まずはお店のスタッフとして店舗に配属される。そして、約3年で店長になるよう目指してもらうのが既定路線である。無印良品では「現場の大変さやお客様の声を知らずに本社に入っても、何もできない」という考えを持っている。店長を務めさせる事で、リーダーとしての視点を養ってもらおうと考えている。これは新入社員にとっての修羅場体験にもなる。

仕事は失敗しながら学んでいくもの。失敗をしないような環境を企業やチームが整えてしまっては、いつまでたっても新入社員は育たない。