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2014/08/26更新

あのお店はなぜ消耗戦を抜け出せたのか ネット時代の老舗に学ぶ「戦わないマーケティング」

163分

2P

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やってはいけない5つのこと

消耗戦を抜け出すためには、やってはいけない5つのことがある。

①売れているモノを売ってはいけない
人がモノを買うにあたっては「欲求の壁」と「比較の壁」という2つの壁がある。「欲求の壁」の手前にいる人は、そもそも「欲しいと思っていない」状態。そこで「欲しい!」と思えるようになる接客が必要になる。それによって欲求の壁を越えると、次は「比較の壁」が目の前にそびえ立ち、いろいろな視点から比較モードに入る。比較の結果、納得すると「これ下さい!」という。
「売れるモノを売る」という商売は、比較の壁の手前にいる「すでに欲しいと思っている人」を相手にする。ただ、そこは競合他社みんなが狙っているので、消耗戦になる。お客さんは欲しいものが決まっているので、一番条件のいいところが選ばれる。

まずはその商品のある生活のベネフィットを伝道するところからスタートし、その結果「欲しい」と思ってもらう。そして、「面白そうな世界を教えてくれた人」という関係性をつくっておけば、「あなたから買いたい」という理由で比較の壁を乗り越えてもらえる。

②ターゲット客を攻略してはいけない
お客さんというのは塊ではなく、1人ひとりの人間である。お客さんは「価値観を共有した仲間」。欲求の壁や比較の壁を越えてもらいやすくするため、コンテンツを充実させる。そして、買ってくれたお客さんに後悔させないことにフォーカスする。使い方のフォローやレクチャーをする。そもそも「買ってよかった」と思えるのは、コストよりもベネフィットが大きくなる時である。この式を成り立たせるには「コストを下げる」か「ベネフィットを上げる」という方法がある。消耗戦を抜け出すには、ベネフィットを上げなければならない。

③競合対策をしてはいけない
競合が増えて価格競争が激しくなってくるとどうするか。勝負をかけて、値下げをすると消耗戦に陥る。競合を見るのではなく、お客さんを見る。お客さんの期待値というのは、1回目が良かったらそこが次回の期待値になるので、高まり続ける。その期待値を超え続けられるかどうかは、昨日の自分より成長できているかによる。

④スケールメリットを強みにしてはいけない
少しずつ規模拡大する事に成功したとしても、圧倒的にスケールの大きい相手と比べると、規模の強みは打ち消されてしまう。そこで「大企業にはできない手間のかかること」をやる。

⑤勝つためのスキルを磨いてはいけない
長期的効率を優先し、お客さんとの信頼関係が深まってくると、新商品を出しただけで「あなたがいいと言うなら頂くわ」と買ってもらえるようになる、というビジョンが見えてくる。