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2014/08/21更新

「バカな」と「なるほど」

160分

3P

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答えをみながら答案を書く

経営において時間差攻撃は有力な戦略の1つである。外国と日本の時間差、進んだ業界と遅れた業界の時間差を利用して、自社の経営戦略を発想するのである。

落差利用の戦略発想法の1つは、欧米と日本の間の差に注目して経営戦略を発想することである。落差利用の戦略発想法には、業種間の落差を利用するという形もある。進んだ他の業界の答えをみながら、自分の業界のための戦略の答案を書くのである。

業界間の落差を利用して戦略を発想するという方法からすると、遅れた業界の企業は幸せである。進んだ業界には答えがいくらでもあり、その答えをみながら、遅れた業界の中にいる自分の会社のために戦略を発想することができるからである。

戦略が成功するためには、何よりその戦略はユニークでなければならない。競争企業から「バカな」と言われるくらいユニークでなければならない。「バカな」と言われるくらいユニークな戦略を考え出すためには、一般には創造的な思考が必要である。ユニークな戦略を考え出すためには、必ずしも飛び抜けた創造的思考能力が必要なわけではない。外国の答えを見ながら、また進んだ業界の答えをみながら、自分の会社のために戦略の答案を書けば良いからである。

答えをみながら戦略の答案を書くという創造的戦略の発想法を実践するためには、まず何よりも外への関心を持ち続けることが大切である。自分の会社の中に閉じこもらない。自分の業界に注意を限定しない。他の業界に常に注目を怠らない。こういう外への関心を常に抱き続けることが、創造的戦略の発想法のためには不可欠である。

べき論より予測論

時代は様々な局面で大きく激しく変化している。こういった世の中の変化、時代の流れに対して経営者がとる立場には、大きくわけて2つの立場がある。べき論と予測論である。

べき論の立場からする議論を検討すると、そこには自分都合主義という特徴がある。べき論の立場から世の中の変化、時代の流れに反対する人は、その変化、その流れがマイナスに作用する人であることがほとんどである。時代の流れから利益を得る人は反対しない。べき論のもう1つの特徴は、保守主義である。既得権を守りたいのである。べき論の立場から議論していては時代の流れに乗れず、敗れ去る運命にある。

多角化に成功した企業をみると、多角化の決定のベースには長期のトレンドについての予測がある。経営者の一番重要な役割は、企業を長期にわたって維持し発展させることである。そのため、経営者には、時代の流れを見通す先見力が要求される。先見力を強める1つの方法は、べき論にたたずに予測論にたって世の中の変化を読む努力をすることである。