なりたい姿を考えよ
一番最初のステップは「自分株式会社」の根幹となる「沿革」を書き出してみることからである。沿革を書き出す事で、ビジネスパーソンとしての成長度合いや、お金の遣い方のパターン、プライベートでの支出も見えてくる。
「沿革」が完成したら、今度は「ビジョン」である。「沿革」を眺めると、自分の強みや弱みも見えてくる。また、お金の大まかな出入りや資産状況がわかるはずである。その上で、今度どうしていけばいいか、自分は「何屋さんとして活躍したいか」、その目標を設定する。
・「自分株式会社」の「顧客(収入源)」は誰なのか?
・「利益(収入)」はどれくらいあればいいのか?
・「本社(住まい)」はどこに置くか?
・毎月、主な「コスト(生活費)」はどこにかかるのか?
・顧客に提供できる自社の商品、技術とは何なのか?
自分という株式会社がなりたい姿とその実現に向けての一歩一歩の考え方、進め方を自分なりに考えてみる。
お金の習性を知っている人にお金は集まる
「沿革」と「理念」をつくったら、次は会社の成長のために、「お金が集まる財務体質」=「お金に好かれる考え方」を身につけていく段階である。
お金は「信頼」と「コミュニケーション」と「未来への継続性」を土台に成り立っている。大切なのはこれらを意識しながら、お金と向き合っていく事である。
①信頼
お金は「信頼」をベースにして、初めてその機能を十二分に果たす事ができる。そして、信頼を土台として機能しているお金は、信頼のあるところに集まってくる。信頼は、約束した事をきちんと守る事から生まれる。仕事なら、約束した受注内容と期限を守る。人間関係では、約束した事を違えない。裏切らない、言い訳しないといった事が信頼をつくっていく。
②コミュニケーション
言葉と同じく、お金はコミュニケーションツールである。例えば、ホテルのドアマンチップを渡す。それは「ありがとう」という感謝のメッセージを伝えている事である。支持されればお金が集まるし、支持を得られなければお金はやってこない。お金によって成立するコミュニケーションの代表的なものは、「感謝」「支持」「共感」「期待」などである。
③未来への継続性
お金は未来への継続性が前提となって機能している。明日もある、5年後も10年後もこの世界は存在していて、自分は生きているだろう、と思うからお金を貯めたり、殖したりする。お金は社会全体の未来という時間を見越して動いている。
うまくコミュニケーションを取って「自分株式会社」の信頼をどんどん積み上げていけば、それによってお金を得る事ができるし、社会的な活動範囲も広げる事ができる。誰かに信頼されたいと思うのなら、その確実な方法は、とにかく進んで「小さな約束」をして、それを守る事である。