速読と精読、両方の技術が必要である
現代に生きる私達は忙しく、読書に割ける時間は限られている。より多くの本を読むためには、速読する本と、精読する本をきちんと選別して、効率化を図るべきである。その時、短時間で内容を把握する「速読モード」と、ゆっくり読む「精読モード」の2つのギアを持っている必要がある。
速読の技術
一冊あたりの読む速度を上げるためには、2つのやり方がある。
①目を速く動かしていく方法
均等にページをめくって、全部の文章をざっと見ていく。但し、速読に不慣れな内は、目で文字を一生懸命に追っても、内容が頭に入ってこない。逆に内容をしっかり理解しようとすると、目が文字を追う速度は極端に遅くなる。そこで「本を読む目的を設定する」「本を読み終える時間的締め切りを設定する」という2つの方法がある。
新書など論説文の場合は、読む順番を変えるのも1つの方法である。まず、目次を眺めて結論部分らしき章をすばやく見つける。そして小見出しをチェックし、そこから読み始める。つまり、目的をはっきりさせた上で逆算する。あくまで本の内容を理解する事が主な目的である、本の内容を要約できればいいとゴールをはっきりさせる事が大切である。
②全体の中で、必要な部分だけをピックアップして、そこを集中的に読む方法
この方法で求められるのは、どこをピックアップするかというセレクトの技術であるため、速く読むための技術は必要ない。
重要だと思われるところを見つけるのに頼りになるのが「目次」である。とにかく多くの本を読んで、自分のセレクト能力を高めておく必要がある。目次を活用する以外に、キーワードを探しながら読んでいく方法もある。本を読む前に自分の中で、あらかじめ大事なキーワードを5、6個決めておく。そして、カバーの袖の部分とか、要約している部分などを見て、キーワードを探していく。
精読の技術
「音読」は、精読のために欠かせない技術である。文章を本当に理解するには、どこで切るか、イントネーションをどうするかも重要な要素であり、意味の取り方が読みの中に現れる。正しい読み方を学ぶ事は、精読には大事な事である。
さらに声に出して読む事により、その言葉の意味が自分の内側に乗り移ってくる。それにより、いちいち意味の説明を全部聞かなくてもわかる、というような読み方が実現できる。
音読をする際にまず大切なのは、音読したい場所を見つける事である。どんな文章でもいいが、古典と言われている作品は、普遍的な価値観を持っているのでおすすめである。