広島の山奥に暮らす著者が、原価0円の暮らしを紹介。水や食料に溢れる持続可能なシステム「里山」の素晴らしさを説く。
■里山を食いものにする
本当の里山は、人間が生きるために活用する(食いものにする)以外には手に入らない。里山はかつて、薪や炭といったエネルギーを得るだけでなく、山菜や果物など、豊富な食料を得られる場所として機能していた。まさに人間は「里山を食いものにしてきた」のである。
都会の人たちが田舎に来てありがたがる「自然豊かな風景」は、薪や炭、山菜や果物を得るために、人が山に手を入れる事ででき上がってきたものである。「里山を食いもの」にしなければ、木は密集して山の中は暗くなり、木のそばには草も生えず、昆虫も寄り付かない密林になってしまう。これが山の「荒れ果てた」状態である。
今、その里山は「食いもの」にする元気な人たちを失い、自然を利用する人も少なく荒れ果てている。
里山を元気にし、日本を元気にする。それに関わる呼びかけが「里山を食いものにしよう」である。里山に眠るエネルギーを利用し、エネルギーの自立を図り、荒れ果てている耕作放棄地等を利用する事などを通して、食料の自立を図れば、マネー資本主義やグローバル化の波に翻弄される事はない。
著者 和田芳治
1943年生まれ。逆手塾 会長 日本人が昔から大切にしてきた里山暮らしを現代的にアレンジし、真の「豊かな暮らし」として広める活動を約30年前から開始。まちおこしを行う「過疎を逆手にとる会」や里山暮らしの知恵を研究する「人間幸学研究所」などの活動から、里山暮らしの楽しさとまちづくりをテーマとして、全国を講演してまわっている。
帯 日本総合研究所調査部主席研究員 藻谷 浩介 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.3 | 3分 | |
第1章 原価0円生活 | p.15 | 26分 | |
第2章 我が傍流人生がくれたもの | p.63 | 21分 | |
第3章 まちづくり奮戦記 | p.101 | 27分 | |
第4章 楽しく楽しく、とにかく楽しい人生 | p.151 | 15分 | |
第5章 里人の信条 | p.179 | 17分 | |
おわりに | p.210 | 2分 |
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