小商いのすすめ
リノベーション起業の対象になる会社は、古い産業や小商いの類いが多い。「斜陽産業」である。しかし、斜陽産業ならではのおいしさもある。例えば、IT分野で会社を起業したとしても、ライバルも多いし勝ち続けるのは大変である。ビジネスモデルの風化も速い。しかし、旧来の商売というのは、それなりにニーズがあって長く続いてきたものである。それを、今の環境に合わせてリノベーションすれば、成功できる勝機はある。斜陽産業なので、参入してくるライバルもそんなにないだろうし、大手資本はパイが小さすぎて手を出せない。
リノベーション起業の手順
①引き継ぎたい会社を見つける
「会社が潰れそうだから助けて」とか「事業承継をどうしたらいいの?」という入り口は別のところにあるため、物件仕入れの必勝法はない。
・登記簿や調査会社を使って調べる
登記簿には代表者の名前や住所まで載っているので、その気になれば「会社を引き継がせて欲しい」と社長に手紙を出す事もできる。また調査会社からデータを仕入れる事もできる。
・紹介やクチコミから情報を仕入れる
会計事務所や銀行、経営コンサルタントなど、会社の情報を持っていそうな人から紹介してもらう手が考えられる。また商工会議所などは、事業承継のお見合い窓口を作るなどしている。
・直談判する
いっそのこと「後継者いるんですか?」と直接社長に聞いてしまうのもあり。「会社を譲って欲しい」と言ってもらえる事は名誉であり、言われた本人として嫌な気はしない。
②引き継ぐ会社を見極める
会社のリノベーションでは、次の4つの基準で目利きする。
・場所(ポジショニング):どの業界に属するのか
・構造:人、商品力、開発力、ブランド、顧客、歴史、地域性など
・見た目:財務内容など
・感覚:その会社を見て、幸せなイメージを思い描けるか
③アドバイザーを探す
④コンセプトを作る
会社のリノベーションでは、何を目的とするかなどの「考え方」が大切になってくる。例え、斜陽産業に属していたとしても、コンセプト1つで道を切り開ける可能性は十分ある。
・あるものを活かす
・離したり、まとめたりする
・外界からモデルを移植する
・既存のものと既存のものを組み合わせる
・原点回帰する
・タブーを突く
・人と同じことをやらない
・再利用する
⑤リノベーションを設計する
設計の1番のポイントは、捨てること。必要な「ビジネスの素」だけを残して他の部分は大胆に捨てる。捨てる事でしか変化はできないし、リノベーション起業のタイミング以上に会社が変われるチャンスはない。
新しい会社の形を設計するには、会社の買取の値段の決め方や資金調達、リノベーション後の事業の未来なども考える。