お客様を感動させる企業は、どのようにつくればいいのか。様々な感動企業のエピソードを紹介し、感動をつくる会社のつくり方を解説している本です。
■価格競争をやってはいけない
中小企業が、絶対にやってはいけない競争は「価格競争」である。価格競争は誰にとっても幸せにならない。価格競争の弊害は、同業者間だけではなく、原料の仕入れ元や下請け業者にまで及ぶ。例えば、酪農の現場では、自分が育てている牛に、太郎や花子といった名前をつけてかわいがっている。しかし、愛情を注がれてつくられた牛乳が、最終的に食品スーパーに並んだ時、安売りなどの際には100円を下回るような価格で売られている。当然、酪農家が得る収入に影響がでる。価格競争に巻き込まれないためには、品質などに加えて「感動の商品・サービス・経営」といった付加価値が大切である。
■サービスの5段階
物質的豊かさを重視する時代から、心の豊かさを重視する時代、多くの人々の価値観は物の価値からサービスの価値に移行をしてきている。しかも求められるサービスの内容・レベルも年々高次化してきている。
①義務サービス
その業界や企業に法律などで義務づけられている最低レベルのサービス
②当然サービス
サービスの提供者が、どんな業種・業態であれ「当然行うべき」と思われるサービス
③期待サービス
「こんな事をしれくれたら」といった「当然」を越えたサービス
④感動サービス
第3段階の期待を越えた「ちょっといい気分になる」といった良質のサービス
⑤感動・感激・感嘆・驚嘆のサービス
「あり得ない!」「ここまでしてくれるのか!」といった高レベルのサービス
今日、多くのお客様が強く求めているサービスは、第3段階以下のサービスではなく、第4段階や第5段階のサービスである。好不況にブレずに好業績を持続する「いい企業」は、常に「お客様よし・会社よし・地域よし」といった経営ポリシーを掲げ、「感動経営」を愚直に一途に実践している。
しかもそのサービスは、真にお客様1人1人の側に立った心温まる感動・感激・感嘆・驚嘆のレベルのサービスである。心温まる「感動サービス」を受けた人々は、その瞬間からそのお店・企業のファンとなり、やがて単なる「たまたま客」から「わざわざ客」に変化・変貌していく。
著者 坂本 光司
1947年生まれ。法政大学静岡キャンパスキャンパス長 法政大学大学院政策創造研究科教授 法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科教授 福井県立大学教授・静岡文化芸術大学教授等を経て、2008年4月より法政大学大学院政策創造研究科教授及び法政大学大学院イノベーションマネジメント研究科(MBA)教授。 他に、国、県、市町や商工会議所等団体の審議会や委員会の委員を多数兼務。専門は中小企業経営論・地域経済論・産業論
帯 元リッツ・カールトン日本支社長 高野 登 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.1 | 2分 | |
第1章 なぜ、仕事に「感動」が必要なのか | p.9 | 15分 | |
第2章 心に火をつけてくれる10社の物語 | p.37 | 91分 | |
第3章 感動を生み出す企業のつくり方 | p.203 | 18分 | |
おわりに | p.236 | 1分 |