敵を味方に変えて、人を動かすにはどのようにすればいいのか。
人を動かす5つの原理を紹介しながら、実践的なコミュニケーションの技術を紹介している一冊。


■人を動かす5つの原理
「強者とは、自分の感情をコントロールし、敵を味方に変える人の事だ」という格言がある。つまり、自分の感情をコントロールして初めて本当の強さが身につき、人を動かす事ができるという事だ。

どのような対人関係においても、相手が特定の行動をとるようにうまく働きかけるためには、次の5つの原理を理解しておく必要がある。

①自分の感情をコントロールする
②お互いの信念の違いを理解する
③相手のプライドを尊重する
④適切な雰囲気をつくる
⑤共感を示して気配りを心がける

■人を動かす5つの原理
①自分の感情をコントロールする
ほとんどの人は自分が論理的だと思っているが、私達は大概感情に基づいて行動している。私達は感情をもとに決定を下し、感情的な決定を論理によって正当化しているに過ぎない。感情に基づいて自分を正当化すると、思うように人を動かす事ができない。

②お互いの信念の違いを理解する
人は信念体系（ものの捉え方、考え方）に基づく世界観を持っているだけでなく、他のすべての人が自分と同じような世界観を持っていると思い込んでいる。必ずしも相手の信念体系を理解する必要はないが、自分の信念体系と大きく異なっているという事実を認識する事から始めよう。

③相手のプライドを尊重する
相手を味方につける事ができるかどうかは、95％の確率で相手のプライドをどれだけ尊重するかにかかっている。プライドはデリケートだから、相手の賛同を求めるなら、相手のプライドに最大限の注意を払わなければならない。

④適切な雰囲気をつくる
あらゆる対人関係で、どちらが主導権を握って雰囲気をつくるかが問題になる。適切な雰囲気をつくる事は、人を動かす達人になるための重要なステップである。

⑤共感を示して気配りを心がける
気配りとは、相手の抵抗をやわらげて考えを受け入れやすくするような方法で何かを言う能力の事だ。共感を示して気配りを心がければ、相手はあなたの提案を素直に受け入れて、それに基づいて行動してくれる可能性が高くなる。

著者 ボブ・バーグ

経営コンサルタント 伝説的なトップセールスマン。影響力の行使に関する第一人者で、30年以上のキャリアを持つ大ベテラン。講演家としても人気を博し、全米の企業や団体を中心に活動をおこない、公私ともに役立つ対人関係の技術を伝授する。 世界中で講演活動をしており、フォーチュン500社を含む企業から現代トップの思想的指導者、元大統領を含む政治的指導者など多くの著名人や組織に助言を行っている。主なクライアントはゼネラル・エレクトリック、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、全米不動産協会。 「人生の成功は専門技術が1割、対人関係が9割」が持論で、「21世紀のデール・カーネギー」の異名をとる。