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2014/06/30更新

成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?

  • 上阪 徹
  • 発刊:2014年6月
  • 総ページ数:230P

147分

3P

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成城石井の人気の秘密

エキナカや商業施設など、出店が加速している成城石井の人気の理由が書かれている本。


■成城石井の人気の理由
スーパーマーケット・成城石井の成長が加速している。2014年3月時点で店舗数は112店。10年前の2004年は30店舗、1994年は4店舗しかなかった。しかも路面店、駅ビル、デパ地下、ショッピングセンターテナント、オフィスビル、コンビニ跡地など店舗形態は多彩。サイズも20坪の小型店から190坪の大型店まである。2013年度の全店売上高は500億円超と前年比105%の伸びとなった。2009年の売上高400億円台から、4年で100億円以上の伸びとなっている。この20年、日本の消費市場は厳しい状況に見舞われてきた。こうした中で、成城石井は店舗を倍増、さらには3倍にしてきた。

成城石井がこれほど支持を集めている大きな特徴は、その品揃えの独特さにある。輸入商材、隠れた名品、地方の名産品をはじめ、独自商材が極めて多い。また成城石井が貿易会社を持ち、直輸入品が多いのも大きい。まだ1店舗だった時代から、第三者に任せず、バイヤーが直に世界の商品を探し出し、買い付けてきた。だから、成城石井でしか手に入らない商品が多い。加えて、プライベートブランド商品もたくさんある。商品は全体の3割が他では買えず、この品揃えのユニークさ、クオリティの高さが人気の秘密である。

超短要約

バブル崩壊以降の20数年、IT化なども手伝って、日本企業は徹底的な効率化を推し進めてきた。成城石井がやってきたのは、こうした流れとは逆行したものだった。

効率が悪く、面倒な事ばかりやってきた。大量生産品を売るのではなく、少量多品種にこだわってきた。きっとこういうものを求めている顧客がいるに違いない、と尖った品揃えをした。

成城石井は、日本の不況期、デフレ期に入ってから成長していった。たしかに成城石井には、高価格の高級品も少なくない。しかし、ただ高級なものが置かれている、と成城石井を捉えたら間違える。顧客が求めているものを追求し続けてきたのが、成城石井なのだ。

著者 上阪 徹

1966年生まれ。フリーライター アパレルメーカーのワールド、リクルート・グループなどを経て、95年よりフリー。 経営、金融、ベンチャー、就職などをテーマに、雑誌や書籍などで幅広く執筆や インタビューを手がけている。 インタビュー集に『プロ論。』シリーズは累計40万部を超えるベストセラーになっている。

この本を推薦しているメディア・人物

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土井 英司
週刊ダイヤモンド2014年8/30号 週刊ダイヤモンド2014年8/30号
紀伊國屋書店和書販売促進部係長 水上 紗央里

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに p.2 4分
第1章 熱狂的に支持されるスーパー ~「商品へのこだわり」 p.17 14分
第2章 お客様主義で「基本」にこだわる ~「サービスへのこだわり」 p.45 16分
第3章 なぜ、独自の品揃えはできるのか ~「強い購買とセントラルキッチン」 p.77 24分
第4章 どんな場所にも出店できるスーパー~「経営と店舗開発」 p.123 14分
第5章 転機となった買収~「事業への思いと誇り」 p.151 9分
第6章 人が店を作っている自覚~「人材教育へのこだわり」 p.169 16分
第7章 “高級スーパー"と呼ばれたくない~「成功の本質と挑戦」 p.201 14分
おわりに p.228 2分

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