今読むべき優良ビジネス書が
すぐ見つかり、読んだ本を
しっかり自分の知識にするサイト

本を検索する

カテゴリーから探す

人気のタグ

お知らせ


Android無料アプリ配信中
2014/07/16更新

できる人はダラダラ上手: アイデアを生む脳のオートパイロット機能

131分

1P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な

対象読者:

アマゾン詳細ページへ

ダラダラすることがアイデアを生む!?

脳の安静時にこそ独創的なアイデアやひらめきは生まれる。現在、解明されている脳の機能を紹介しながら、時間管理に追われる現代の生活から逃れることの大切さを説く本。


■休息中に活発化する脳
科学や芸術分野の偉大な功績や歴史上最も優れた着想の多くは、根気強く働いた結果ではない事がわかる。それよりも「無為に過ごした日々に起こった大きな動きの残響」によって生じるひらめきから生まれるのかもしれない。私達が休息している時、脳神経の一部には文字通り「残響」が起こる。脳内にあるたくさんのネットワークの「中心拠点」は、私達が何もしていない時ほどより活発に働く。

私達の脳には、作業中に沈静化する領域が、休息中に活発化する事がある。これが安静時の脳活動「デフォルトモードネットワーク」である。このネットワークは同調構造を持ち、個々人による違いはほとんどなく、夢想や白昼夢に関係しているとされる。最も興味深いのは、脳を安静にする時間が多い人ほど「ひらめき」の瞬間が多く訪れているかもしれない事である。

わかってきたのは、認識、記憶、連想、思考が脳を通して新しいつながりを作るには、脳が安らかな状態になければならないかもしれないという事である。

超短要約

神経科学の世界において、脳を十分に働かせるには、長い時間、何もせずダラダラするのがいいという事が明らかになってきている。私達の脳にはオートパイロット機能(自動操縦システム)が備わっている。私達が人生を操縦しようとするのを止めて脳を休めると、オートパイロット機能が働きはじめる。

人間の脳は創造的な機械で、次のような特質を有する。

①非線形システムである
ある時点でのシステムの状態について完全な情報を持ち、変数によってどんな作用が起こるかがわかっていたとしても、将来を予測するのが不可能である。

②閾値がある
閾値とは、外部刺激に強く反応するシステムが、通常の動的な軌道を離れ、興奮あるいは活動状態に入る値である。神経細胞が信号を受け取ると、静止状態にあった膜電位が変化し、その変化が閾値を超えると「発火」して、活動電位に達する。

③自己組織性を持っている
時間や環境に合わせて、状態を調整する傾向がある。

④情報は振動によって伝わる
脳の領域間や神経細胞間の情報伝達は、周波数の異なる振動によって行われる。

⑤神経細胞はネットワーク構造になっている。
脳内ではおよそ1000億個の神経細胞が、200兆通りの接続をする。ネットワークにはハブと呼ばれる中心拠点があり、そこを経由して多くの接続が行われる。

⑥脳はノイズを必要としている
人間の脳を含む複雑な非線形システムには、一定量のノイズが役に立つ。ノイズが少なすぎると、神経細胞は他の神経細胞が送ってくるシグナルを拾う事ができず、ノイズが多すぎると正しいシグナルを感知できない。

⑦神経反応のばらつきは健康のバロメーターとなる
複雑な社会と環境の中で生き延びるために必要な柔軟性と適応性は、ばらつきから生まれる。神経反応のばらつきが減少する時は、病変の兆候でもある。

⑧情報の伝達には同期が必要である
脳内では、ばらつきと同期がせめぎあっている。

何もせずにダラダラと過ごせば、こうした脳の非線形で確率的なメカニズムを十分に活用し、知覚と記憶を統合して新しいアイデアを創出する力を増幅させる事ができる。

著者 アンドリュー・スマート

神経科学研究者 ルンド大学で脳神経科学を学び、ADHD(注意欠陥多動性障害)の子どもの記憶に関する研究に携わったほか、米ニューヨーク大学研究員として言語処理における脳の画像イメージングの分析に携わる。

この本を推薦しているメディア・人物

日経ビジネス Associe (アソシエ) 2014年 07月号 日経ビジネス Associe (アソシエ) 2014年 07月号

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
イントロダクション わたしたちはなにもしないほうがいい p.9 9分
Chapter1 いつから、何もしないことが罪になったのか p.27 16分
Chapter2 脳は何もしていないときほど活発に活動する p.61 17分
Chapter3 万有引力の法則もリラックスしている瞬間に生まれた p.97 5分
Chapter4 忙しすぎる子ほど、創造性に欠ける p.107 9分
Chapter5 人間は、オートパイロットを求めている p.127 6分
Chapter6 タイムマネジメント教が現代人を滅ぼす p.139 9分
Chapter7 嫌われ者のノイズこそ愛すべき友 p.157 14分
Chapter8 シックスシグマは脳の発作である p.187 9分
Chapter9 労働が、地球を破壊している p.207 5分

この本に影響を与えている書籍(参考文献、引用等から)

科学的管理法の諸原理 科学的管理法の諸原理
[Amazonへ]
1分間マネジャー―何を示し、どう褒め、どう叱るか! 1分間マネジャー―何を示し、どう褒め、どう叱るか!
[Amazonへ]
シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」 シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」
[Amazonへ]

ユーザーのしおりメモ (0)