ポジティブな現実を作り出せる能力
幸福という状態は、身の回りのネガティブな状況に目をつぶる事ではない。「自分にはその状況を何とかする力があると信じられること」である。そして、本当の成功は「ポジティブな現実」から生じる。ポジティブな現実を常に作り出せる能力を「ポジティブ才能」と呼ぶ。
「ポジティブ才能」は、悲観的とか楽観的とは別物で、コップの水が「半分しかない」とか「半分もある」といった事とも違う。楽観主義者や悲観主義者は、目の前のコップの水をどう解釈するかばかりに気を取られて、その近くに第3の「これも本当の新たな現実」がある事に気が付かない。コップの横に水差しが置かれていて、コップに水を注ぎ足す事ができるという事実である。「ポジティブ才能」は、この水差し、つまりもっと広い機会、可能性、成功への道がある事に気が付く。
ポジティブな現実を見出す5つのスキル
①最も価値ある現実を選択する
現実が「選択の結果」であるなら、次に考えるべき事は、自分は大きな成功と成長につながるような現実を選んでいるかという事である。現実を改良するためには「他にも現実がある事に気づく」「視点を増やす」「最も価値ある現実を追求する」という3つの戦略が有効である。
②メンタルマップを作る
頭の中にある地図は大きな力を持つが、普段は背後に隠れていて、何らかの決断をしようとする時や、試練に立ち向かう時、目標を定める時などに行動を導いてくれる。しかし、そこに「意味マーカー」(人生において何を大切に思っているかという標識)が欠けている場合、道に迷いかねない。自分にとって最も重要な意味マーカーは何かを考える必要がある。
③一番力が出るスポットを見つける
人間の脳はある明確な瞬間に、ゴールが可能なばかりかほぼ確実だという事を理解すると、力強い化学物質が放出されて、成功を促進するように働く。ゴールまでの距離を「どう認識するか」を変える事によって、成功を促進する物質を脳に出させる事ができる。3つの促進要素(近接性、的の大きさ、推力)を利用して、自分の一番力が出るスポットを作り出せばよい。
④ノイズを消去する
ノイズは、ネガティブな現実に人を誘うが、ポジティブなシグナルは、より価値のある現実を作り出して成功への道を描き出す。ネガティブなノイズに脳が集中すればするほど、シグナルを聴き取る事が難しくなる。しかし生活の中から5%でもノイズを減らす事ができれば、シグナルを聴き取る事が可能になる。
⑤ポジティブな視点の「植えつけ」
ポジティブな視点の植えつけは、周囲のポジティブ才能のレベルを上げ、自分自身のポジティブな現実を維持して成功につなげやすくする。植えつけるアイデアは、シンプルで、感情に訴えるもので、ポジティブでなければならない。