ツイッターがどのように生み出され、その後どのような経営がなされたのか。
共同創業者が対立し、短期間でCEOが3度変わるという内紛劇を描いた物語。
■はじまり
大学を辞めて、一文無しだったエバン(エブ)・ウィリアムズが、採用されたのは、企業向けにマーケティング資料を作成するオライリー・メディアという会社だった。その頃、狭いワンルームの部屋で独学でコードの書き方を学んだ。その後、エブはパイラ・ラボというスタートアップを創業した。作業状況についてパイラの社員が最新情報を得られるように、エブと社員ひとりが簡単な社内用の日誌サイトを始めた。エブはこれを世界中に公開した。このサービスをエブは、ブロガーと呼んだ。コンピューターのプログラミングの知識がなくても、ブログがつくれると、エブは確信していた。
ブログは、ITオタクの間で人気が出た。エブは毎日14〜16時間かけて大量のコードを書き、ブロガーを拡大した。2002年には、ブロガーは世界中に100万のブログを抱えるようになり、書き込みは900万件に近づいた。2003年、ブロガーはグーグルに買収され、エブは数千万ドルを手に入れた。
エブとジャックは、ツイッターとは何であるか、どういう風に使うべきか根本的に意見が違っていた。ジャックは自分がどこで何をやっているかを話す手段、エブは周囲で起きている事を伝える手段だと考えていた。
この2つは、全く異なるツイッターの使い方だ。自分の事か、相手の事か? エゴの事か、それとも他人の事か? 現実ではその両方だろう。一方がなければ、もう一方は成り立たない。140文字の単純なステータス・アップデートは、はかなく、自己中心的だから、長くは生き延びられない。140文字のニュース・アップデートは、瞬間的で、ニュース速報としては中身が貧弱だ。その2つが組み合わさっていたからこそ、ツイッターは一味違っていた。
エブとジャックの意見が一致するのは、2人の意見がほとんど一致しないという点だけだった。
ジャックは確かに、ステータスを人々が共有するというアイデアの源だったが、オデオがなかったら、それはアイデアのままで終わっていた。オデオを救おうとしたノアの決意が、ジャックのステータスという発想を、ハックデーで皆に考えさせ、実行に移させた。孤独を味わっている人々を結び付けるようなサービスがあればいいというノアの構想と、皆が覚えやすいような名前を探す努力がなかったら、ツイッターは存在していなかった。ツイッターを「何が起きているか」を伝えるものにするというエブのこだわりと、エブの資金援助と、シリコンバレーの名声がなかったら、ツイッターがこんなに早く成長する事はなかっただろう。
著者 ニック・ビルトン
ニューヨーク・タイムズの記者、コラムニスト ニューヨーク・タイムズ紙のBits Blogを主管している。テクノロジーがビジネスや文化にもたらす破壊的な影響、テクノロジーやプライバシーの未来、ウェブの社会的影響などについてブログを執筆している。全米ネットのテレビやラジオに定期的に出演している。
日本経済新聞 中央大学教授 田中 洋 |
日経トップリーダー |
日経ビジネス Associe (アソシエ) 2014年 07月号 |
週刊 ダイヤモンド 2014年 6/21号 [雑誌] 三省堂書店営業本部課長 鈴木 昌之 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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著者おぼえがき | p.4 | 2分 | |
#スタート | p.11 | 5分 | |
1 #創業者たち | p.17 | 37分 | |
2 #ノア | p.63 | 41分 | |
3 #ジャック | p.113 | 79分 | |
4 #エブ | p.211 | 120分 | |
5 #ディック | p.359 | 24分 |