精神的な打たれ強さ、感情をコントロールできる強い自己規律が、継続的に成果をあげるためには必要である。逆境を乗り越えるための、メンタルの鍛え方を紹介している本です。
■失敗から立ち直り逆境を乗り越える力が大切
ビジネスエリートには「たくましいエリート」と「脆いエリート」の2種類存在する。心理的なたくましさがあるエリートは、継続的に成果をあげ、社内や社外での競争に生き残り、長いキャリアで成功を収める事ができる。
その一方で、学歴や経歴からエリートに見えても、いざ難しい仕事を任せると精神的な脆さを見せ、重要な仕事も任される事もなく、キャリアのどこかで挫折してしまう人がいる。その違いは「レジリエンス」にある。
「レジリエンス」とは「精神的な回復力」を示す言葉として使われる。アメリカ心理学会では、レジリエンスの事を「逆境やトラブル、強いストレスに直面した時に、適応する精神力と心理的プロセス」と説明している。
■レジリエンス3つのステージ
レジリエンスには3つのステージがある。
①精神的な落ち込みから抜け出し、下降を底打ちさせる段階
②レジリエンス・マッスル(再起するための心理的筋力)を使って、再起する段階
③過去の逆境体験から一歩離れて、高い視点から俯瞰する段階
これら段階に応じて、体系的にレジリエンスを鍛えるための技術がある。
失敗を経験した後に私達が陥りがちな悪循環は次の通りである。
①失敗を体験すると、パニックになり思考停止に陥る
②自責の念を始めとする様々なネガティブ感情が発生する
③不快なネガティブ感情が過剰に繰り返される
④不快な体験につながる可能性のある行動を回避する
⑤不快な状況を変えられないと認識した場合、無力感が生まれる
失敗に効果的に対処するためには、この悪循環を断ち切る必要がある。失敗を経験した時の対処法は、以下の通りである。
①失敗経験をしたら三種類の失敗から分類すること
②不必要に自責の念を持たないこと
③失敗の種類に応じて適切な対応をとり、積極的に学習すること
著者 久世 浩司
1972年生まれ。ポジティブサイコロジースクール代表 大学卒業後、P&G入社。化粧品事業のマーケティング責任者としてブランド経営の商品開発に国内と海外で携わる。 国内初のポジティブ心理学の社会人向けスクールを設立、代表として就任。ポジティブ心理学をビジネスの現場で活かす人材の育成に関わる。 専門はレジリエンス。応用ポジティブ心理学準修士課程修了、日本ポジティブ教育協会代表理事、認定ポジティブ心理学コーチ。
TOPPOINT |
PRESIDENT (プレジデント) 2014年 6/30号 [雑誌] |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.3 | 4分 | |
序 章 レジリエンスを学ぶ前に | p.15 | 26分 | |
第一章 第一の技術―ネガティブ感情の悪循環から脱出する! | p.57 | 13分 | |
第二章 第二の技術―役に立たない「思いこみ」をてなずける | p.79 | 16分 | |
第三章 第三の技術―「やればできる!」という自信を科学的に身につける | p.105 | 22分 | |
第四章 第四の技術―自分の「強み」を活かす | p.141 | 15分 | |
第五章 第5の技術―こころの支えとなる「サポーター」をつくる | p.165 | 23分 | |
第六章 第六の技術―「感謝」のポジティブ感情を高める | p.203 | 11分 | |
第七章 第七の技術―痛い体験から意味を学ぶ | p.221 | 18分 |
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