広げる
考えを「広げる」事は、思考を発展させる時の最初のステップである。広げるためには「自由な気持ち」で臨む事が大切である。ほとんどの場合、広げる段階での差が最終的な差を生む。ある程度考えが広がらなければ、それを「まとめる」必要もないし「深める」段階にも至らない。
①材料を集める
何かを考え始める時、考えたい事に関する事を、とにかく書いていく。書いてみると、頭の中でぼんやり考えていた事が少しずつ具体的になる。質より量。出てきた内容の良し悪しは材料を出した後で考える。
②分ける
出てきた項目をいくつかのグループに分けて、そのグループの中で考えるようにする。
③変える
物事には「大きさ」や「長さ」「向き」「表裏」「時間」「目的」など、様々な属性がある。この属性を変化させる事で発想を広げる。
④フォーカスする
テーマのある部分に意識の範囲を絞る。
⑤組み合わせる
考えているテーマに他の要素を組み合わせて、新しいアイデアを出す。
⑥類推する
他の似たものからヒントを得る。
まとめる
「広げる」の次のステップは「まとめる」である。広げたままだと全体像がわからなくなったり、矛盾した内容があったりして、混乱しがちである。そうした状況を、まとめる事で解決する。「まとめる」際には割り切りが1つのカギになる。但し、アイデアの一番いいところはしっかり残す。
①捨てる
数を減らす時には、重要性、現実性、良し悪しなど、なんらかの基準によって行うが、「捨てる」ではスピードを重視する。大事な点だけを思い浮かべれば十分である。
②揃える
バラバラの情報を「内容」と「形式」で揃える。
③命題にする
「〜は〜である」というように命題化する事で、正しいのか正しくないのかを検証する。
④束ねる
要素の共通点を見つけて、グループをつくりながら束ねる。
⑤配置する
一定のフレームに入れてまとめる。「配置する」ポイントは、フレームを1回限りではなく、繰り返し使う事にある。
深める
間違える可能性は誰にでもあるため、常に考えを「深める」事が大切である。深めるのは「信じられるようにするため」と言えるが、そのためには一旦かなり意地悪な気持ちで疑う事が大切である。
①命題を明確にする
曖昧さや多義性がある命題は、アイデアや情報としての価値が低くなるため、言葉を調整して文意をハッキリさせる。
②具体例で考える
アイデアや概念を、いくつかの例に当てはめて検証する。極端な例も検証に値する。
③全体から見る
同じジャンルにあるものや同じ属性を持つ他のものと比較したり、平均値など全体を表すものと比較してみる。
④反論を考える
予想外の反論は異なる立場、利害、視点などから出てくる。