マッキンゼー出身の著者が、思考の3つの基本動作「ひろげる」「まとめる」「深める」を身につけるための練習方法を紹介しています。
■思考の基本動作
考える能力においては、次の3つが基礎的な力にあたる。
①広げる(考え、案などを、時にはゼロから様々な方向に伸ばしていく)
②まとめる(バラバラな考えや情報を整理し、扱いやすくする)
③深める(考えている事の正しさや価値を判断し、さらによくしていく)
3つの考え方は頭の働かせ方が違い、それぞれにコツがある。「広げる」では、正しいかどうかを気にせず、自由に案を出していく。「まとめる」では、腰を据えて、とにかくまとめ切る。割り切りも必要である。「深める」では、本当にこれでいいのかと、意地悪に疑ってかかる。
どの力をいつ使うのかは、目的や状況に応じて考える。小さなテーマでも3つの力をそれぞれ少しずつ使うよう習慣づけると、常にバランスよく考える事ができるようになる。
■考える3つの能力
物事を3つの分野で考えるとかなりの範囲をカバーできる。
①広げる
・目標はバランスよく、質のいいアイデアをたくさん出すこと。頭が活性化すれば、自然と質はついてくる。
・バランスを考え、ある方向のアイデアが全く抜けているという事を避けるようにする。
・量を出していくと、それ以上、考えが広がりにくくなる壁が出てくる。手法や方向性を変えながら、こうした壁を越えていく。
②まとめる
・「広げた」後は、アイデアが生の状態にある。全体像がつかみにくく、矛盾や混乱もあるのが普通である。「まとめる」事で価値あるものにアイデアを絞り、表現を整理して、活用しやすくする。
③深める
・考えの正しさ、考えに価値や意味があるかを確かめる。当たり前の考えではあまり意味がない事もある。
・この過程で間違いや曖昧さを発見すると、考えが深まり、新しい考えが生まれてくる。
この3つの能力はバランスよく身につける必要がある。
著者 太田 薫正
1962年生まれ。B&Company株式会社代表取締役 マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク・ジャパン、ケアネットを経て、2001年に独立し、ベンチャー企業をコンサルするボイヤンシーを設立。大企業や自治体の新規事業開拓支援を行うようになり2007年B&Companyに改組。 ベトナムでは10年間にわたり、市場調査・進出支援・事業投資・ニュース配信・イベントなどを実施。2009年よりベトナム貿易大学日本語学部にて問題解決を講義。 中小機構国際化支援アドバイザー、中小機構海外販路開拓支援アドバイザー、クールジャパンファンドアドバイザー、JETROシニア専門家、中小企業診断士、元大阪市・大阪府特別参与。
マインドマップ的読書感想文 smooth |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.10 | 1分 | |
第1章 広げる | p.29 | 8分 | |
第2章 まとめる | p.67 | 7分 | |
第3章 深める | p.101 | 14分 | |
第4章 広げる+まとめる+深める | p.171 | 4分 | |
おわりに | p.190 | 0分 |