Facebook、Twitter、Instagram、Pinterestなど、ユーザーがハマるサービスはどのようにすれば作れるのかを解説している本です。
■習慣を形成するプロダクト
あるプロダクトやサービスにユーザーの習慣を形成するポテンシャルがあるかどうか調べるためには、「頻度(その行為がどれくらいの頻度で発生するか)」と「使いやすさ(既存のソリューションと比べてどれほど便利で利点があるか)」に着目するといい。頻度と使いやすさのいずれかが不足しており、行動が基準を下回っている場合には、期待する行為は習慣にはなりにくい。
成功したプロダクトやサービスに共通する事柄は、そのプロダクトやサービスが問題に対するソリューションを提供しているという事だ。習慣的なプロダクトやサービスはユーザーの心と関連を持っており、そのプロダクトを使用する事でユーザーの痛みが取り除かれるという作用を持ち得るという事だ。
「あったら嬉しいもの(ビタミン剤)」から始まり、やがて「なくてはならないもの(鎮痛剤)」になる。習慣的なプロダクトは「痒いところ」を解消する事で、ユーザーのストレスを緩和する。
■人間の行動を習慣付けさせるフレームワーク
日常的に使われるプロダクトを生み出す企業は、結果としていくつかの利点を得ている。これらの企業はプロダクトに、消費者がプロダクトを使用したいと思わせるひっかかりともいえる「内的トリガー」をくっつけている。その結果として、大っぴらに何かをしかけなくてもそのプロダクトの利用者が現れるのだ。
費用のかかるマーケティングに頼る代わりに、習慣を提供する企業は、サービスと消費者の日常と感情とを常に結び付けている。今日では、小さなスタートアップチームでも、「フック」と呼ぶ体験を消費者に味わわせ、そのプロダクトを利用し続けてくれるよう仕向けられる。利用者が頻繁に「フック」を経験すればするほど、使う事がより習慣付けられやすくなる。
人間の行動を習慣付けさせるには「フック・モデル」という4つのプロセスを踏ませる。
①トリガー(きっかけ)
②アクション(行動)
③リワード(報酬)
④インベストメント(投資)
著者 ニール・イヤール
コンサルタント 心理学とテクノロジー、経営学を中心に執筆、教授活動を行っているコンサルタント。 2003年以降、2つのテクノロジー系企業を設立し、スタンフォード経営大学院とスタンフォード大学ハッソ・プラットナー・デザイン研究所(通称d.school)で教鞭をとっており、カリフォルニアのベイエリアにある複数のスタートアップ企業において、ベンチャーキャピタリスト、インキュベーター顧問としても知られている。
帯 リブセンスCTO 平山 宗介 |
帯2 VASILY代表取締役 金山 裕樹 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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イントロダクション | p.13 | 11分 | |
Chapter1 ハビット・ゾーン(習慣化された領域) | p.27 | 19分 | |
Chapter2 トリガー(きっかけ) | p.51 | 18分 | |
Chapter3 アクション(行動) | p.73 | 26分 | |
Chapter4 リワード(予測不能な報酬) | p.105 | 31分 | |
Chapter5 インベストメント(投資) | p.143 | 23分 | |
Chapter6 フック・モデルをどのように活かせばよいのか | p.171 | 13分 | |
Chapter7 ケース・スタディ:聖書アプリ(Bible App) | p.187 | 11分 | |
Chapter8 習慣性のテストと習慣化をうながす機会を探る | p.201 | 13分 |